重要な人はいつだって最後にやって来る ページ27
私のフォローまでしてくれて、目の前でニヤニヤと私をからかっているどこかの渡辺さんとは大違いのジフン先輩。
『ずっと……?』
それでもジフン先輩に言われた言葉が引っかかっていた。
(なんでずっとなんだ……?)
確かに親友の先輩と仲良くしたいという気持ちはあるが、逆に後輩の友達というだけでそんなに頻繁に顔を合わせられるものだろうか。
まるでこの先も私と一緒に学園生活を過ごすかのようだ。
考え事のせいで恥ずかしさなどどこかに行ってしまい、私はジフン先輩としばらく見つめあっていた。
{ガラガラガラ}
扉が開く音がする。
お前ら集まってるかー?と声が聞こえたのと同時に少し部室内の空気は変わり始めた。
みんな思い思いにだらけていたのが、急に活動的になった気がした。
(一体どんな人が入ってきたんだろう……)
何となく1番立場が上なのだろうと口調で察してはいたがその姿を見て思わず背筋を伸ばしたくなってくる。
耳には沢山のピアス。
制服は着崩され、シルバーのアクセサリーが多く着いていた。
校風が自由で厳しくないとは言え、初めて見るあまりの厳つい雰囲気に唾をゴクリと飲み込んだ時、その先輩と目が合う。
今の私を表現するならば肉食動物に射止められた草食動物だ。
(私目付けられた……!?!?!?)
心臓はどくどくと鳴り冷や汗がではじめたが先輩は足を止める気配なくこちらに近づいて来たのだった。
どうしたらいいのかと心配だったが
🦔「アンニョーン!君がAちゃん?俺はリーダーのチェヒョンソクです〜!よろしく!」
満面の笑み。
全然怖い人じゃないし笑ったら赤子だった。
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作者名:たるるんい | 作成日時:2023年11月11日 5時