検索窓
今日:285 hit、昨日:25 hit、合計:14,190 hit

無意識 ページ26

🐶side


真っ赤になったA。


俺たちがあまりにもガン見してしまったからか、Aはルトの後ろに隠れてしまった。


正直小動物みたいで可愛い。


しかし少しだけ気に食わない点がひとつ。



ルトヤ、お前はなんでちょっとニヤついてんだ。


なんかよく分からんが仲良しマウントを取られている気がする。


まるで俺が手懐けたとでも言わんとするような表情に少しだけイラっとしてしまった。



「ごめんね〜?うちのキムドヨンが〜!」



そう言って優しくなだめてあげようと思ってルトの後ろを覗き込む。


しかし彼女の様子を見ているとなぜだか優しくしたくなくなってきた。



きゅっと結ばれた桃色の唇。

紅潮した柔らかそうな頬。

うるうると涙の張った目は庇護欲を掻き立てられる。



そのはずが俺の中に芽生えたのは支配欲に近いものだった。


キュートアグレッションと呼ばれるものだろうか。


もっと振り回したい、何もかもを手のひらの内に収めたいと思い。


この子の涙の原因が俺じゃないことに苛立ちを覚えた。





「大丈夫だから出てきなよ」



まるで優しい先輩かのような皮を被って手を取る。


彼女はこんな空気で出られませんよ!と焦りながら八の字に眉を下げた。


隣の鏡に映るのは俺の心底楽しそうな表情。


俺ってこんな顔もするのかと己の知らない一面を知ったのだった。






「まぁまぁ、嫌でも慣れるって。どうせこの先も一緒に過ごすでしょ?」



俺が笑いながらそう言うとAは「ずっと……?」と、まるで今聞きましたとでも言わんばかりに綺麗なアーモンド型の目をまん丸に見開いた。




その表情があまりにも可愛くて。





(もう少し、もう少しだけ困らせてみたい)





泣かせるまでに彼女を恥ずかしがらせた原因がドヨンアなのが少し悔しかった俺は、次は俺が彼女を翻弄したいと思ってしまう。



「ルトから聞かなかったの?」








わざとその瞳に吸い込まれに行くかのように。






ゆっくりと顔を近づけようと









{ガラガラガラ}



🦔「お前らあつまってるかー?」




遅れて入ってきたヒョンソギヒョン。


ほんの少しの状況の変化だが、俺が正気に戻るには十分だった。



(……俺は一体何をしようと)




🦋「流石に近すぎるやろㅋㅋ」



動きが止まった隙に、ルトが「これ以上はからかわないでやってㅎㅎ」と冗談のように顔と顔の間を手で遮る。





俺はなぜここまで彼女に固執していたのだろう。

重要な人はいつだって最後にやって来る→←羞恥心



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (36 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
180人がお気に入り
設定タグ:TREASURE , 逆ハー , 学パロ   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:たるるんい | 作成日時:2023年11月11日 5時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。