迎えの理由 ページ20
(なんで3年生が……?)
するとずっと握りしめていたスマホが細かく揺れ、ハルトからのカトクが画面に表示された。
🦋〔遅いって話してたら気になったヒョン達が迎えに行くって言い出した。ごめん、そっち来るかも〕
なるほど……?
やっと状況が把握出来た。
スマホを置いて改めて前方を見る。
先輩達は私の顔を覗き込んで不思議なものを見るような目をしていた。
🐶「あ、俺3年のパクジフン。よろしくね〜!
いやぁー、ジェヒョガの言う通りだ、귀엽네〜(可愛いねぇ〜)!!!」
と、急に言われたものだから人に褒められ慣れてない私は激しく動揺してしまう。
(!?今この人さらっと私に可愛いって言った!?…………天然人たらし恐ろしい……。)
このルックスとナチュラルさ的にきっといろんな女の子を勘違いさせてきたんだろう、なんて思ってしまう。
私だって「普通なら」例外では無い。
こうして改めて見るとやはり皆顔が整っていてイケメンである。
しかし幼なじみのハルトはじめその先輩や友達など出会う人が片っ端から端正な顔立ちだったため、今なら目の前に天下のアイドル、チャ・ウヌ氏が現れても平気な自信がある。
(うん、もうさすがに驚かない。)
どうすればいいのかイマイチ分からないがこういう時は笑っておこう。
『あはは……よろしくお願いします……』
INFPの特徴として「とりあえず環境に合わせる」というものがあるが、今がまさにその状況だ。
ハルトとジョンウの先輩だし仲良くしたい、という思いはあるが、突然「可愛い〜」なんて言われても上手い返しはできそうになかった。
「当たり前」はナルシストすぎて引かれるかもしれないし「私なんて全然」も相手に逆に気を使わせてしまうかもしれないので言えない。
そのため会話が続かなくても当たり障りなく素直に受け取っておくのが吉だろう。
多分先輩は私の事を本気で可愛いと言ったというよりかは新しく入ってきて、新鮮さがあったり必死に適応しようとしたりしてる新入生に対しての先輩ムーブの「可愛いー!」なのだろう。うんうん。そうに違いない。
そんなこんなで思考回路が全力で回転する3秒ほどよそ行きの笑みを浮かべ続ける私を見て、ヨシノリ先輩は口に手を当て口角を上げながら先程のジフン先輩と同じ様なノリで言った。
🐯「あ!もしかして緊張してる〜?キヨウォ〜!」
(……ギャル?)
180人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:たるるんい | 作成日時:2023年11月11日 5時