先輩3人組 ページ19
『授業選択何にしよう……』
今日は軽いオリエンテーションと授業選択を記入した紙を提出してから、終わり次第部活動見学に行くというスケジュールである。
しかし私の前にある用紙は以前真っ白である。
早く行きたい気持ちもあるが授業選択が決まらない限り私はこの教室から出られそうになかった。
ほかのクラスメイトは今まで受けてきた授業をそのまま受けるという人が多くみんなさっさと選択を用紙に書き込み提出して行ってしまったという……。
おかげで教室に取り残されたのは私1人だ。
『ああああああああああ!終わらん!』
ハルトとジョンウは部活のメンバーとの約束があり、先に行ってしまったので授業内容を聞くどころか2人がどの授業を受けてるのかすら分からなかった。
(誰か情報プリーズ……)
(適当に番号振ってルーレットで決めてやるか?)
やけくそになってアプリを開こうとした時、教室の扉が空き、派手な髪色の人がこちらを見ていた。
?[まだいた……!]
聞き間違えでなければ日本語だ。
よーく目を凝らすと学生証のバッチの色的に3年生だということが分かる。
?[ジフナー!ジュンギュヤー!いたー!]
そう外に向かって叫ぶと更に2人の先輩がやってきて、ドアの前に立ち、こちらを見つめていた。
上級生に目をつけられるような事をしただろうか、いや、してないぞ。
〚えーっと、こんにちは……?〛
先輩と同じ日本語で恐る恐る挨拶してみる。
すると後から来た先輩の1人が大きな瞳をきゅるるとさせてびっくりした様子でおお……と声を漏らしてから話始めた。
🐨[……!……コンニチワ!ボクはジュンギュデス]
片言で喋るこの先輩は韓国の方か……
?「やー!キムジュンギュお前何急に自己紹介してんだよ!」
そう言って後から来た先輩のもうひとりが先程自己紹介したジュンギュ(?)先輩と口喧嘩を始めた。
その間で髪色が派手な先輩はオロオロする。
『あのー、何かありましたか?』
私がそうして声をかけると3人ともハッとしてこちらに近づいて来た。
🐯[あっ!ボク金本芳典って言います!ハルトから聞いて迎えに来ました!]
〚えっ……?あ、私 田中Aって言います。わざわざありがとうございます……?〛
(どういうことだ)
全く状況が掴めない。
180人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:たるるんい | 作成日時:2023年11月11日 5時