かむちゃぎやー ページ16
ぶつかった相手は体格がよく、私よりも遥かに大きな男の人。
寝起きで完全に活動段階に進んでいない私の身体ははいとも簡単に弾き飛ばされてしまった。
ぶつかった反動でバランスを崩し転びそうになってしまう。
無機質な天井と目が合い、そのまま重力に逆らえず体重は後ろに傾いていく。
すると男の人は咄嗟に私の腰を掴んで支えてくれた。
『ㄱ……감사합니다(ありがとうございます)。ごめんなさい……。』
一瞬自分がどんな体制がも分からなくなってしまうほど動揺しながらも感謝と謝罪を述べる。
いくらぶつかったとは言え転んでしまうなんて恥ずかしいにも程があるだろう。
?「あああ!こちらこそ!!!怪我とかしてないですか!?」
相手は慌てた様子で色素の少し薄い目を見開きこちらをじっと見つめている。
必然と顔の距離が近くなってしまいドキドキした。
ハルトがアイドル顔だとしたらこの人は俳優顔だな、なんてどうでもいいことが頭をよぎる。
まるで社交ダンスのような体制で沿った私の腰をしっかりと支えてくれる腕は逞しく、触れられた部分の熱が薄い上着越しにしっかりと伝わってくる。
(……変態か私は。)
『あっ!ごめんなさい!重いですよね!!!怪我もしてないので大丈夫です!!!』
ずっとこの体制でいるのもさすがに耐えきれないのでやんわりと手を離すようにお願いしてみた。
すると彼はおぉ……と慌てた様子で腰にまわした手をほどいて口を開く
?「むしろ軽いくらいですよ……ちゃんとご飯食べてるんですか…??」
そう言って掴んでいた手を見ながらグーパーさせていた。
思いもよらぬ返しだ。
お母さんかと思うようなコメントが急に飛び出してきたので思わず笑みがこぼれてしまう。
『食べてますよ!ㅎㅎ今だって食堂が空くの待ってるんですもん!!!!』
初対面の人に心配されるほど私は貧相な身体付きなのかとショックも受けるが、それを隠すように少し茶化して言う。
すると彼は何故か少し驚いてから明るい表情になった。
?「俺もちょうど食堂行こうと思ってたんですよ!!!!」
……なるほど?
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作者名:たるるんい | 作成日時:2023年11月11日 5時