この世界の終わりには ２【不死川実弥】

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感情に任せて動くのは良くない。


ありがたいことに身体は自分の戦い方を覚えていた。


出てくる鬼の頸だけを無心で斬りながら、ふと思い出す。




しのぶちゃんを殺したのは、カナヲに話していた、
カナエさんを殺したあの鬼だろうか。




鎹烏は上弦の弐と言っていた。


カナエさんも上弦にやられたんだ、可能性はある。




そしてそうだとしたら、その鬼の頸は、誰かが切らなくてはならない。


それを知っている剣士はおそらくカナヲとわたしだけだ。




カナヲはどこだろう。


確信はないけれど、なんだかもう既に交戦している気がする。




お願いだ、カナヲまで失いたくない。




どこにいる、上弦の弐は。




そこに辿り着くことを祈る。


この怒りで、どうか仇を討たせてほしい。




ベベンッ




琵琶の音がし、部屋がまた変わった。



『！？』



急に、足が竦むほどの殺気を感じて近くにあった柱に身を隠す。


とてつもなく、強い鬼がそこにいる。


下弦はここまでの気配はなかった。




上弦の弐の元へ来られたか？


それとももしかして…鬼舞辻無惨だろうか…？


激しい音のする方に目を向ける。





…嘘、あの姿は。




ここからは距離があるのに、深緑の日輪刀が巻き起こす風がわたしの髪を揺らす。




繰り出し合う技のスピードと大きさで殆ど見えないけど、
あれは、実弥だ…！


悲鳴嶼さんと一緒に鬼と交戦してる。




そしてなんだあの鬼は、呼吸を使う剣士のよう。


ただ、一目でゾッとするほど顔も刀も目玉だらけ。




特徴を見る限り、しのぶちゃんの話していた鬼ではなさそうだ。


見渡すが出口はない、ここを突破しないとカナヲの元には行けない。





Aさん…？と急に背後から聞き慣れた声がした。

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