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実弥の言葉に、ツーッと涙が出る。
いままでどれほど苦しんだのだろう。
幾度となく目の前で大切な人を亡くし、それでも膝をつかず人の為に刀を振るった実弥。
やっと、使命から解放された先で。
そんなことを、思ってくれているなんて。
あたたかい風に乗って桜の花びらが飛んでくる。
幸せに、なりたい。
そう願っても良い瞬間が、やっときた。
世界は、変わった。
ずっと胸に留めていたこの気持ちも、口に出して良いんだ。
もう自分に躊躇することはない。
実弥を見上げて、口を開く。
『実弥、好き。』
やっと、伝えられた。
想いは堰を切ったようにどんどん溢れ出す。
『好きだよ、大好き。
ずっとずっと、助けてくれて、一緒に過ごしたあの時から。』
『わたしも実弥と一緒にいたい。
ずっとずっと、一緒に生きていきたい。』
実弥は、大きな目をさらに大きくさせたけど、
どこかホッとしたように笑い、嬉しそうに頷いた。
「だがなァ、そんな必死に伝えられても俺の気持ちは超えられねェよ。」
えー！そんなこと言うの！？と驚くわたしを見て鼻で笑ったかと思えば、
優しい眼差しを向けるもんだから、身体中が熱くなる。
実弥って、そんな顔もできるんだ。
ぽーっと見惚れていると、みるみる顔が近づいて。
思わず目を閉じたけど、つん、と鼻同士が触れる感覚に薄く目を開ける。
またつん、と鼻が当たり、甘えたようなその仕草に胸が苦しくなる。
実弥と視線が交わったとき。
雲の切れ間から、日が差し込んでわたしたちを照らす。
吸い寄せられるように、唇が重なった。
藤の花の家紋の屋敷で初めてしたキスとは比べものにならないほど、甘い味がした。
『実弥はわたしの気持ち、気付いてた？』
「知ってたけど、驚いた。」
『あ、知ってたの…？』
「あァ、城が崩れた時言ってたじゃねェか。」
『…え、待って、え？聞こえてたの！？酷！嘘ついた！』
「あんなところで答えられるかよ。そんなに馬鹿じゃねェ。」
『いや！生きてるから笑えるやつ！そして馬鹿で悪かったね！』
「まァ、そんな馬鹿だけを長年好いてる俺も大概だけどなァ。」
その発言にまた驚いて顔を見ようとすると、くしゃ、とわたしの髪を撫でて、
反対を向き誤魔化すように顔を隠してる。
盗み見た耳は真っ赤に染まっていた。
あー、この人には一生敵わない。
でも、それで良い。
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金平糖 - うぅ...感動しました... 一気読みしたんですが、一気読みしたからこそ凄く感動しました。こういう系の話には弱いので、、、 (2021年10月2日 23時) (
レス) @page45 id: f3f7dadf62 (このIDを非表示/違反報告)
雪乃 - 不死川の夢小説少なかったのでとても嬉しかったです！出来れば続編も読みたいです、お願いします。一つ…鬼舞辻が鬼ﾞ無ﾞ辻になってたので、そこは直して頂きたいですね。 (2020年12月11日 7時) (レス) id: cedaea8f17 (このIDを非表示/違反報告)
かぼ(プロフ) - ろこもさん» 完結おめでとうございます！素敵な作品でした！実弥と夢主が幸せになれて良かったです(はぁと)ろこもさんも大好きです！ありがとうございました！ (2020年8月7日 5時) (レス) id: abbc87cbf8 (このIDを非表示/違反報告)
ろこも(プロフ) - 我妻ライさん» 我妻ライ様！返信遅れてしまいすみません！絶叫嬉しい限りです！元気が出て頑張れました！！読んでくださりありがとうございます！ (2020年8月7日 0時) (レス) id: ef1ad6d2c7 (このIDを非表示/違反報告)
ろこも(プロフ) - かぼさん» かぼ様！返信遅れてしまいすみません…！一気読みありがとうございます！実弥さんを表す文章力が足りませんが、より好きになるお手伝いができれば嬉しい限りです…ありがとうございます…！ (2020年8月7日 0時) (レス) id: ef1ad6d2c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ろこも | 作成日時：2020年7月7日 22時
