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他の上弦に対しても次々勝利の報告があった。
カナヲは伊之助くんと上弦の弐を倒した。
向かえなかったけれど、しっかり、自分でやり遂げたんだね。
しのぶちゃんと、たくさん稽古していたもんね。
身体は大丈夫だろうか、眼は無事だろうか、早く会いたい。
…あとはいよいよ、鬼舞辻無惨だ。
無惨を倒せば、世界は、変わる。
こんな、悲しい世界はきっと。
みんなは幸せになってと言ってくれるけれど、正直自分の命なんて実際はどうでもいい。
身体がどうなろうが、死のうが、役に立って、絶対に終わらせる。
実「終わった。」
『ありがとう。』
実「俺はもう行く。お前は来るな。」
『…え?』
実「そのまま、さっきのヤツより強ェ鬼と戦うんなんざ、無理だ。」
『なんで?まだ動ける。』
実「やめろ。」
『嫌だよ、わたしも戦う!見たでしょう?
無一郎も玄弥くんも、世界を変えるために命をかけた。
わたしだって、こんなに時間かかっちゃったけど、』
実「やめろォ!!!」
実弥の荒げた声は、空虚な部屋に響き渡った。
ゆっくり振り向くと、実弥は、苦しそうにポロポロと涙を流していた。
胸がギュッと締め付けられる。
実「勝手だってわかってらァ…だがお前まで、居なくなったら俺は…」
…苦しい。
玄弥くんの幸せのために戦い続けていた実弥。
失ってしまった今、いつも逞しい実弥が、とても小さく見えた。
座り込んでいる実弥に立て膝で近づき、ぎゅっと抱きしめる。
『わたしは居なくならないよ、実弥と一緒にいる。
だって、実弥が守ってくれるんでしょう?』
何度か大きく深呼吸をして、そっとわたしを見上げた実弥。
当たり前だァ、そう言い放った顔は、もういつもの実弥だった。
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金平糖 - うぅ...感動しました... 一気読みしたんですが、一気読みしたからこそ凄く感動しました。こういう系の話には弱いので、、、 (2021年10月2日 23時) (レス) @page45 id: f3f7dadf62 (このIDを非表示/違反報告)
雪乃 - 不死川の夢小説少なかったのでとても嬉しかったです!出来れば続編も読みたいです、お願いします。一つ…鬼舞辻が鬼゙無゙辻になってたので、そこは直して頂きたいですね。 (2020年12月11日 7時) (レス) id: cedaea8f17 (このIDを非表示/違反報告)
かぼ(プロフ) - ろこもさん» 完結おめでとうございます!素敵な作品でした!実弥と夢主が幸せになれて良かったです(はぁと)ろこもさんも大好きです!ありがとうございました! (2020年8月7日 5時) (レス) id: abbc87cbf8 (このIDを非表示/違反報告)
ろこも(プロフ) - 我妻ライさん» 我妻ライ様!返信遅れてしまいすみません!絶叫嬉しい限りです!元気が出て頑張れました!!読んでくださりありがとうございます! (2020年8月7日 0時) (レス) id: ef1ad6d2c7 (このIDを非表示/違反報告)
ろこも(プロフ) - かぼさん» かぼ様!返信遅れてしまいすみません…!一気読みありがとうございます!実弥さんを表す文章力が足りませんが、より好きになるお手伝いができれば嬉しい限りです…ありがとうございます…! (2020年8月7日 0時) (レス) id: ef1ad6d2c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ろこも | 作成日時:2020年7月7日 22時