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『…実弥はもう、忘れちゃったかもしれないけど。
三年前、お館様の家で会った日のこと。』
実「…覚えてる。」
『あっそっか、そう。
その日なんだけど、夜実弥の屋敷で、話したことも覚えてる…?』
実「…多少は。」
覚えてるんだ。
そりゃそうか、酷い言葉を並べたんだ。
嫌な記憶として残ってるのだろう。
深呼吸して。
三年間、言いたかった一言を。
『本当に、ごめんなさい。』
実「…あァ?」
『…実弥の優しさに対して、わたし、すごい酷いこと言った。』
実「…」
『本当は、すごくうれしかった。
久しぶりに実弥と会えたことも。実弥がわたしを守りたいと言ってくれたことも。
もう実弥にとっては、どうでもいいことだと思うけど…ずっと、謝りたくて。』
実弥は、月を見つめてる。
何も言葉は返ってこない。
『でも、三年も経っちゃって。
わたしは弱い自分のまま成長してないから、こんな自分で会うのは恥ず』
実「どうでも良い。その通りだァ。」
『…え?』
実「本当にどうでも良い。
三年も考えてまだわかんねェのか?」
…なにそれ。
でも、その通りだ。
こんな答えも予想してたはずなのに、何傷ついてるんだろう、わたしは。
…それでも、やっぱり、つらい。
実弥の顔が、見られない。
できることなら受け入れてもらいたい、なんて考えは、甘いとわかっていたのに。
冷たい言葉を返されるのが怖くて、耳を塞ぎたい衝動にかられた。
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金平糖 - うぅ...感動しました... 一気読みしたんですが、一気読みしたからこそ凄く感動しました。こういう系の話には弱いので、、、 (2021年10月2日 23時) (レス) @page45 id: f3f7dadf62 (このIDを非表示/違反報告)
雪乃 - 不死川の夢小説少なかったのでとても嬉しかったです!出来れば続編も読みたいです、お願いします。一つ…鬼舞辻が鬼゙無゙辻になってたので、そこは直して頂きたいですね。 (2020年12月11日 7時) (レス) id: cedaea8f17 (このIDを非表示/違反報告)
かぼ(プロフ) - ろこもさん» 完結おめでとうございます!素敵な作品でした!実弥と夢主が幸せになれて良かったです(はぁと)ろこもさんも大好きです!ありがとうございました! (2020年8月7日 5時) (レス) id: abbc87cbf8 (このIDを非表示/違反報告)
ろこも(プロフ) - 我妻ライさん» 我妻ライ様!返信遅れてしまいすみません!絶叫嬉しい限りです!元気が出て頑張れました!!読んでくださりありがとうございます! (2020年8月7日 0時) (レス) id: ef1ad6d2c7 (このIDを非表示/違反報告)
ろこも(プロフ) - かぼさん» かぼ様!返信遅れてしまいすみません…!一気読みありがとうございます!実弥さんを表す文章力が足りませんが、より好きになるお手伝いができれば嬉しい限りです…ありがとうございます…! (2020年8月7日 0時) (レス) id: ef1ad6d2c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ろこも | 作成日時:2020年7月7日 22時