時透無一郎×年上彼女 3 ページ12
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頭上には息を切らした無一郎。
瞳が揺れてる。
『ごっごめん、実弥さんと』
無「Aは僕のじゃないの?」
『え…?』
無「勝手に僕の元から居なくならないでよ。」
『無一郎…わたしに、居なくなってほしくないの?』
無「は…?当たり前じゃん、なんでわかんないの?」
『全然わかんない。わかるわけない!なんでわたしなの?
無一郎ならもっと他にいるじゃん!』
お酒のせいもあり開いた口は止まらなくて。
ずっと抱えてた不安な気持ちが涙と一緒にボロボロ出てくる。
あー醜い、もうこっぴどく振ってくれ。
と、上から唇を塞ぐように無一郎がそっとキスをしてきた。
『…!』
無「はぁもう手がかかるな。なんて顔してんの。
でも言わない僕も悪いし、ちゃんと聞いてて。」
『…?』
無「僕はAが好きなの。誰より大切だと思ってる。
だから、僕だけのそばに居て。」
やっと、聞けた。
ずっと聞きたかった言葉。
安心したのか全身の力が抜けて、無一郎にしがみつくと優しく腰を抱き寄せてくれる。
顔を見上げるとお酒のせいなのか、潤んだ瞳でまっすぐわたしを見つめてる無一郎。
少し赤い顔がまたかわいさを際立たせるなぁ。
無「ねえ聞いてた?僕結構頑張って伝えたんだけど。Aならわかるでしょ?」
『かわいいなぁ…。』
無「またそうやって!それこっちのセリフだからね?」
『え?なに?』
無「あーほんとにもう…!ほら家帰るよ、今日は許さないからね。」
気付いたら姿を消してた実弥さんに心で謝りながら、無一郎にぎゅっと抱きつく。
プリプリしながらなんか呟いてる無一郎だけど、腰に回す腕は壊れ物を扱うように優しい。
無「はぁ、見つけられて良かった。
不死川さんに連れてかれるのが見えたときもうダメかと思った。」
『あれは実弥さんベロベロだったから。わたしはどこも行かないよ?』
赤く染まった耳がかわいくて、背伸びしてそっとキスする。
顔を覗き込むと口をパクパクさせながら声にならない声をあげ、わたしの肩に顔を埋めた。
無「ずるいんだよもう…僕の身にもなってよね。」
『?』
いつもわたしが寝たのを確認してから、愛を伝えまくっていることを知るのはもう少し先の話。
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作者名:ろこも | 作成日時:2020年7月6日 12時