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実弥さんは元々口数の少ない人なのか、会話といった会話はそのくらいしかなかった。


思えば爺様以外の人と話すのすら、一年ぶりだ。


爺様のことは大好きだけど、昔ながらの人だったから、歳の近い人というだけで少し嬉しいけど、
さすがにほぼ初対面だ、距離感には気をつけなきゃな。




その夜、いつぶりかの温泉に浸かりながら、
鬼殺隊に入れたことを実感し、家族を思って啜り泣いた。



やっと。


自分だけが生き残った。


その価値が生まれるよう、頑張ろう。


多くの人を鬼から救おう。




あの日から嘘みたいに泣けなかったけど、
最終選別で実弥さんの腕の中で泣いてから、なんだか自然に泣けるようになったなぁ。




随分長湯してしまった。


ぽけーっと歩いていると人にぶつかった。


それはそれは美しい女の人で、頭に蝶の飾りをつけていた。



『ごっごめんなさい!』

「いえいえ、こちらこそごめんなさいね。
新しく入隊された方かしら?」

『あっはい!最終選別を終えたばかりです!』

「ふふ、かわいい子。私は花柱の胡蝶カナエです。
これから宜しくね?」

『はっ柱の方!よろしくお願いします!』



柱ってもはや有名人的な気持ちでいたけど、
ペーペーなわたしにも親切でなんだか、憧れちゃうなぁ。



カナエさん、とっても良い匂いがした。


またぽけーっと歩きながら部屋に戻ると実弥さんはいなかった。



婆「本宮様、お休みになられますか?」

『あっぜひ!』

婆「こちらに準備が出来ております。」

『あっありがっ、あ、え?』



その部屋には二枚の布団がピッタリ並べて敷かれていた。


これ実弥さんの分だよね?


一緒に来たから仕方ないのかな?


まぁわたしは気にしないけど。



思えば今まで実弥さんは隣で寝てたのかな?


ということは実弥さんも気にしてないってことか。


変に意識するのもおかしいしな、と一人納得してもぞもぞ布団に潜り込む。



そこからは早かった。


ずっと寝てたくせに、秒で寝落ちた。


帰ってきた実弥さんがこの距離感でなかなか寝付けなかったとは知らずに。

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設定タグ:不死川実弥 , 時透無一郎 , 鬼滅の刃   
作品ジャンル:アニメ
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紅葉(プロフ) - ろこもさん» 愛してます!←コイツは頭が壊れた☆ (2020年7月7日 22時) (レス) id: 777c44a6f7 (このIDを非表示/違反報告)
ろこも(プロフ) - 紅葉さん» 紅葉様!コメントありがとうございます!好きと!シンプルに一番嬉しいです励みになります…! (2020年7月7日 22時) (レス) id: ef1ad6d2c7 (このIDを非表示/違反報告)
ろこも(プロフ) - 竜胆友さん» 竜胆友様!コメントありがとうございます!面白いと言っていただけて嬉しい限りです!更新頑張ります…! (2020年7月7日 22時) (レス) id: ef1ad6d2c7 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 好き← (2020年7月7日 15時) (レス) id: 777c44a6f7 (このIDを非表示/違反報告)
竜胆友(プロフ) - めちゃ面白です。どんどんろこもさんの世界に引き込まれていきました!続きを楽しみに待っております。 (2020年7月7日 8時) (レス) id: 3d9f00433a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ろこも | 作成日時:2020年7月6日 2時

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