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…あ、良い匂いがする。
わー、これ、煮物の匂いじゃん。
あああ、煮物の匂いいい。
実「うるせェ、起きてんのか寝てんのかどっちかにしろォ。」
『あ、声に出てました?』
婆「お夕食で御座います。
本宮様、起き上がれますでしょうか?」
『いててっ、大丈夫です!ごはんのためなら!
良くして頂きありがとうございます!』
婆「滅相もありません、ごゆっくりお過ごし下さい。」
そう言うとお婆さんは部屋を出た。
起き上がるとくらくらする。
わー、身体痛いなぁ、でも2日も寝てたみたいだし、最終選別で切った右足の傷、まだ全然痛いけどさすがに塞がってるなぁ。
『おいしそう〜!!レンコンだ〜!!』
そこにはザ・和食。
まず目に飛び込んできた大好物のレンコン。
主食はお腹に優しそうなお雑煮だ。
あー、なんて素敵な宿。
『実弥さん、こんな宿生まれて初めてです!
お金はしっかり払いますからね!』
「宿じゃねェ。」
『?』
実弥さんから藤の花の家紋の家の概要を聞いた。
なんて素敵なサービス。
まだ任務にも行ってないのに申し訳ないな。
『いただきます。』
手を合わせてごはんを頬張る。
おいしすぎかよ…!
1人でわいわいしてると実弥さんはジロっとこっちを一瞥し鼻で笑った。
普通に怖い。
「お前ェ、家に帰らなくていいのか?」
『家は、ないんです。
家族はみんな鬼に殺されました。
ただこの1年剣を教えてくれた爺様には報告しなきゃだな、心配してくださったし。』
「…そうか。」
『実弥さんはお家、どこなんです?』
「俺もねェ。弟以外全員死んだ。」
『そうなんですね…弟さんは何処に?』
「知らねェ。アイツは俺とは全然違ェからな。今頃普通に生きてるだろ。」
そう言った実弥さんは、吐き捨てるような口調とは裏腹に、少し寂しそうに見えた。
そこからは何も聞けない空気。
鬼殺隊は政府公認の組織ではない。
この人もそんなこの世界に一人で飛び込んだんだ、きっと色々あるのだろう。
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紅葉(プロフ) - ろこもさん» 愛してます!←コイツは頭が壊れた☆ (2020年7月7日 22時) (レス) id: 777c44a6f7 (このIDを非表示/違反報告)
ろこも(プロフ) - 紅葉さん» 紅葉様!コメントありがとうございます!好きと!シンプルに一番嬉しいです励みになります…! (2020年7月7日 22時) (レス) id: ef1ad6d2c7 (このIDを非表示/違反報告)
ろこも(プロフ) - 竜胆友さん» 竜胆友様!コメントありがとうございます!面白いと言っていただけて嬉しい限りです!更新頑張ります…! (2020年7月7日 22時) (レス) id: ef1ad6d2c7 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 好き← (2020年7月7日 15時) (レス) id: 777c44a6f7 (このIDを非表示/違反報告)
竜胆友(プロフ) - めちゃ面白です。どんどんろこもさんの世界に引き込まれていきました!続きを楽しみに待っております。 (2020年7月7日 8時) (レス) id: 3d9f00433a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ろこも | 作成日時:2020年7月6日 2時