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竹刀が折れておわりかと思ったら、日輪刀まで取り出して延々と続く斬り合い。
二人とも譲らないもんだから、出血までして。
何をやっているんだろう。
これも稽古の範囲内なの?
その怒りを向ける相手は鬼じゃないの?
これで生命に関わる事態になったらどうする気なんだろう。
気付いたら身体が勝手に動いていて。
二人が接触する寸前に、大きく息を吸い、近くにあった竹刀を振りかざしていた。
『もう、やめて。』
無「A!?」
…この空気がチリチリ焦げ付くような匂い。
なんだか懐かしい。
爺様と死ぬ気で習得した全集中・常中と、炎の呼吸。
無一郎との稽古でも炎の呼吸は使ったことはない。
誰かの前で本気で出したのは、いつぶりだろうか。
実「あはは!なんだァ?やるじゃねェか!A!」
『うるさいな!もうやめてってば!』
実「いや、稽古っぽくなってきたぜェ。煉獄がいなくなった今炎の呼吸の使い手とは稽古できねぇんだ。
お前ももう少し、付き合えやァ。」
『何でだよ!てか何様だよ!』
実「なァ?時透。」
無「A、今の、びっくりしちゃった。
すっごく綺麗だったよ?」
『そ、そうかな?』
実「あァ?なんて顔してんだよ、二人まとめてブチ殺すぞ。」
『いやだからもう終わりだってば!
辞めてよ!せめて竹刀でやってよ!』
無「はい、不死川さん竹刀。」
実「おォ、助かる。」
『いや待ってよ!仲直りしたなら辞めようもう!
怪我してるじゃん!』
二人が本気で衝突しそうだから、技を使って止めるのに、
次々繰り出すもんだから、ラチがあかない。
でもよく見たら二人ともなんだかニヤニヤしていて、
段々とわたしも楽しくなってきた。
スレスレの攻防で、自分の技が磨かれるのがわかる。
剣士として任務に出ていたとき、そんなギリギリの戦いでどれほど頑張っていたっけ。
甘「すごい!すごいわ!三人の技、綺麗だわ!」
伊「確かによく連携がとれている。」
きっと二人は手加減してくれている。
それでも誰かと一緒に戦う心強さを思い出していた。
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紅葉(プロフ) - ろこもさん» 愛してます!←コイツは頭が壊れた☆ (2020年7月7日 22時) (レス) id: 777c44a6f7 (このIDを非表示/違反報告)
ろこも(プロフ) - 紅葉さん» 紅葉様!コメントありがとうございます!好きと!シンプルに一番嬉しいです励みになります…! (2020年7月7日 22時) (レス) id: ef1ad6d2c7 (このIDを非表示/違反報告)
ろこも(プロフ) - 竜胆友さん» 竜胆友様!コメントありがとうございます!面白いと言っていただけて嬉しい限りです!更新頑張ります…! (2020年7月7日 22時) (レス) id: ef1ad6d2c7 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 好き← (2020年7月7日 15時) (レス) id: 777c44a6f7 (このIDを非表示/違反報告)
竜胆友(プロフ) - めちゃ面白です。どんどんろこもさんの世界に引き込まれていきました!続きを楽しみに待っております。 (2020年7月7日 8時) (レス) id: 3d9f00433a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ろこも | 作成日時:2020年7月6日 2時