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実弥side
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無「不死川さん、怒ってる?そんな筋合いないよね。」
実「あァ?」
無「他人なんでしょ?
勝手に好きになる資格もないような。」
実「…こんなときに誰の話をしてる。殺されてェのか?」
無「Aだよ。よく知ってる癖に。」
実「…テメェには関係ねェだろ。」
無「大人はそんなにプライドが大事なの?
死んだらそれで終わりだよ?」
実「関係ねえって言ってんのが、聞こえねェのか?」
無「不死川さんがそんな風ならAは俺が大切にする。
手合わせも無様に負ければ良いよ。」
実「…言わせておけば、ふざけんじゃねェ。俺が負けるだとォ?
いくらはじまりの呼吸の子孫だろうが、アイツと一緒にいようが関係ねェ。
テメェに勝つのは俺だァ。」
無「言ったからには逃げないでね。」
話の限りでは、Aと時透の仲はまだそこまでなのだろうか。
そんなことを女々しく考える自分にも腹が立つ。
と、目線の端でAが立ち上がるのが見えた。
足音を立てないように、帰ろうとしてやがる。
アイツには見届けてもらわねェと。
時透も同意見のようで、声をかけるとAはビクッと肩を震わせ、大人しく座った。
そこからは無心だった。
実「時透、やるじゃねェか。」
無「まだ序の口だけど。」
最速で柱になっただけある。
緩急のついた読めない剣技は見事だった。
だが負けるわけにはいかねェ。
そのまま斬り合い続けていたら殆ど同時に竹刀が折れた。
お互いすかさず日輪刀に持ち替え、技を繰り出す。
伊「貴様らそろそろ辞めないか!」
甘「そうよ!怪我しちゃうわ!」
外野から何か聞こえるが関係ねェ。
チラッと縁側に目を向けると、Aは見るからにオロオロしていた。
終わったら時透の元に駆け寄るんだろうか。
無「よそ見したりして、死んじゃうよ?」
実「からかうのもいい加減にしろォ。ぶっ倒してやるよ。」
どのくらい経っただろうか。
最近の任務でもこんな激しい戦いはない。
伊「おい、もう辞めないか。」
実「うるせェ。」
無「おじさんだから疲れちゃった?」
実「テメェは本当に生意気だなァ。」
呼吸を整えて、お互い斬りかかったそのとき、目の前に現れた炎の壁。
空気が焦げ付くような匂いに交じった、懐かしい甘い匂い。
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紅葉(プロフ) - ろこもさん» 愛してます!←コイツは頭が壊れた☆ (2020年7月7日 22時) (レス) id: 777c44a6f7 (このIDを非表示/違反報告)
ろこも(プロフ) - 紅葉さん» 紅葉様!コメントありがとうございます!好きと!シンプルに一番嬉しいです励みになります…! (2020年7月7日 22時) (レス) id: ef1ad6d2c7 (このIDを非表示/違反報告)
ろこも(プロフ) - 竜胆友さん» 竜胆友様!コメントありがとうございます!面白いと言っていただけて嬉しい限りです!更新頑張ります…! (2020年7月7日 22時) (レス) id: ef1ad6d2c7 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 好き← (2020年7月7日 15時) (レス) id: 777c44a6f7 (このIDを非表示/違反報告)
竜胆友(プロフ) - めちゃ面白です。どんどんろこもさんの世界に引き込まれていきました!続きを楽しみに待っております。 (2020年7月7日 8時) (レス) id: 3d9f00433a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ろこも | 作成日時:2020年7月6日 2時