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そんな柱稽古も終わりが近づいてきた。
現に宇髄さんと甘露寺さんはもう屋敷を閉めているらしく、
無一郎も今日で終わりかな、って言ってた。
ここにはいままでの任務や蝶屋敷で会ったことのある隊士もたくさん来るので、
良い気分転換になっていたと感じる。
一人になると、無意識に考えてしまう。
剣士を退いた自分の選択は、合っていたのか。
答えはないけど、ずっと迷っている。
実弥へ投げた言葉は、日に日に後悔に転じるし。
もう何年悩んでるんだよわたしー。
はぁ、辛くても逃げずに頑張る隊士たちは、まっすぐで偉いなぁ。
そういえば、玄弥くんは実弥と話せただろうか。
たしか実弥の訓練は、無一郎と伊黒さんの後だった。
実弥に打ち込みまくるとんでもない訓練らしい。
鬼殺隊に入りたての時にあんなに吹っ飛ばされたくらいだ、
いまの実弥に立ち向かうなんて冷静に嫌だ。
縁側でお茶をすすりながら、ここで玄弥くんと話したのを思い出す。
………
玄「俺、いままでずっと兄貴に会うことだけ考えてたんだ。」
『うん。』
玄「鬼殺隊に入って、鬼喰いしてるなんて知られたら殺されるかもしれないけど。
それで会えるんだ、必要な過程だったよな?」
『…それは玄弥くんの身体が無事だから、うんって言えるんだけどね。』
玄「…すんません。」
『ふふ、でも玄弥くんが鬼喰いしてまで頑張ってたから、いま生きてて実弥と話せる。
話してわからない人じゃないって玄弥くんが一番知ってるでしょう?』
玄「うん、たしかに。」
『自信持って!お互い生きてれば、きっと何度でもやり直せるよ!』
玄「ありがとう、Aさん。」
『ふふ、緊張しちゃうね?実弥顔怖いし。』
玄「いや、本当に。…でもAさん。」
『ん?』
玄「Aさんだって、生きてる。
Aさんもどこかで兄貴と向き合うべきなんじゃねぇかな?」
『…うん、本当に、そうだね…。』
玄「…俺、Aさんが姉貴になったら嬉しいなぁ。」
『……え!?いや真っ赤な顔で何言ってんの!?』
無「ちょっと何の話?俺も混ぜてよ。」
玄「Aさんの結婚相手の話。」
無「…え…?A、誰と結婚するの…?」
『誰ともしません!!』
無「なんだよ、焦った。
Aは一生ここで俺に大根作ってくれたら嬉しいなぁ。」
『っ!大人をからかうのはやめなさい!
玄弥くんもモジモジしない!』
………
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紅葉(プロフ) - ろこもさん» 愛してます!←コイツは頭が壊れた☆ (2020年7月7日 22時) (レス) id: 777c44a6f7 (このIDを非表示/違反報告)
ろこも(プロフ) - 紅葉さん» 紅葉様!コメントありがとうございます!好きと!シンプルに一番嬉しいです励みになります…! (2020年7月7日 22時) (レス) id: ef1ad6d2c7 (このIDを非表示/違反報告)
ろこも(プロフ) - 竜胆友さん» 竜胆友様!コメントありがとうございます!面白いと言っていただけて嬉しい限りです!更新頑張ります…! (2020年7月7日 22時) (レス) id: ef1ad6d2c7 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 好き← (2020年7月7日 15時) (レス) id: 777c44a6f7 (このIDを非表示/違反報告)
竜胆友(プロフ) - めちゃ面白です。どんどんろこもさんの世界に引き込まれていきました!続きを楽しみに待っております。 (2020年7月7日 8時) (レス) id: 3d9f00433a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ろこも | 作成日時:2020年7月6日 2時