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二年が経ったある日。
「不死川玄弥。」
廊下を通りかかったときに聞こえた名前に驚きを隠せなかった。
悲鳴嶼さんから定期検診を依頼された、鬼喰いをしているというこの子。
背はだいぶ大きいけど、珍しい名字に加え、この目つきの悪さ。
顔にある傷跡の古さも含めて。
完全に実弥の弟だ。
以前しのぶちゃんから鬼殺隊に入ったとは聞いてたけど、鬼喰いしてるの…?
ひょっこりしのぶちゃんの診察室を覗いてると、
しのぶちゃんは察してるのだろう、呆れた顔をしていた。
診察とお説教が終わり、出てこようとした玄弥くんがわたしを見てギョッとする。
ギョッとした顔も実弥と一緒だ。
し「Aさん、変態ですか?」
そんな辛辣な一言を浴びながらも、玄弥くんに声をかける。
『はじめまして!実弥の弟くんだよね!?』
玄「兄貴を、知ってるのか?」
し「貴方のお兄さんとAさんは特別な関」
『しのぶちゃん?』
し「まだまだ傷心中でしたね、失礼しました。」
『ただの、同期です。わたしはもう剣士じゃないし…。』
玄「…。」
『…あの、よかったら、お昼一緒に食べませんか?』
玄弥くんはモジモジしていたけど、ちゃんと着いてきてくれて、
縁側で一緒におにぎりを食べた。
たしか実弥は全然会ってないと言っていたな。
きっと実弥のことが気になるんだろう、
実弥とのエピソードをペラペラ話すと、興味津々に聞いてくれた。
喜怒哀楽が顔に出るからとてもかわいい。
玄「兄貴のこと、好きなんですね。」
『…え!?』
突然の一言に、びっくりして玄弥くんの顔を見ると、なぜか玄弥くんが少し赤くなっている。
急に鼓動が早くなる。
実弥のこと、好きだけど。
でも。
『わたしにはもう、会う資格ないんだけどね。』
自分から出たあまりにも情けない声に俯く。
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紅葉(プロフ) - ろこもさん» 愛してます!←コイツは頭が壊れた☆ (2020年7月7日 22時) (レス) id: 777c44a6f7 (このIDを非表示/違反報告)
ろこも(プロフ) - 紅葉さん» 紅葉様!コメントありがとうございます!好きと!シンプルに一番嬉しいです励みになります…! (2020年7月7日 22時) (レス) id: ef1ad6d2c7 (このIDを非表示/違反報告)
ろこも(プロフ) - 竜胆友さん» 竜胆友様!コメントありがとうございます!面白いと言っていただけて嬉しい限りです!更新頑張ります…! (2020年7月7日 22時) (レス) id: ef1ad6d2c7 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 好き← (2020年7月7日 15時) (レス) id: 777c44a6f7 (このIDを非表示/違反報告)
竜胆友(プロフ) - めちゃ面白です。どんどんろこもさんの世界に引き込まれていきました!続きを楽しみに待っております。 (2020年7月7日 8時) (レス) id: 3d9f00433a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ろこも | 作成日時:2020年7月6日 2時