この世界の終わりには【不死川実弥】

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必死で稽古に喰らいつき、何度も挫けては家族を想い、
一年かけてなんとか身につけた全集中・常中と、炎の呼吸の捌までの型。





いよいよ最終選別。


奇声を上げて近づいてくる鬼を無心に斬っていた。




何日経っただろう。



『ぶぇ！』



転んでざっくり足首が切れた。




痛い。帰りたい。もうやめたい。


そう思いながらも、集中が切れたらまた家族を思い出す。





目を開けると、そこには妹によく似た鬼がいた。



『ミナ、、、？』




涎を垂らして近づいてくる。


爪は鋭く、牙もある。




冷静になれ、これは妹ではない。


ただ、背格好が似てるだけ。




見間違いとわかっていても、記憶の中の妹に会いたくて、刀を持つ手が重い。





情は自分を殺す。



そう教えられていたのに、足がすくんで動けない。





だって、斬れないよ。


また、自分のせいで家族を失いたくない。




体が震え出して、刀を落とした。


向かってくる鬼。




覚悟を決めて、ゆっくり目を閉じた。

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