春の朝 静けさが街を包んでしまう ページ18
ドイツの長くて寒い冬が終わり、春の匂いが少しずつ私を包む。
あの日から篤人と連絡を一度も取っていない。
祐樹からは毎日連絡も来るし、麻也の家のお手伝いにももう慣れた。
もうすぐドイツに来て2年が経つ。
このドイツの空気にも慣れ、私は前を向いて歩んでいた。
きっと篤人も。
麻也が教えてくれた、唯一の篤人の情報
「ウッチー、彼女出来たって」
麻也にこの言葉を聞いた時、私は笑顔で言った。
『篤人に彼女がいない方が不自然だもんね』
きっとこれでいいんだ。
私を守ってくれていた手が篤人から祐樹に変わった様に、篤人がこれから抱きしめる相手が私じゃなく他の誰かになった。
私も、篤人が幸せならそれでいい
そう思っていたのは間違いなく本心だった。
5月に差しかかったある日の事。
少しだけ元気の無い祐樹がパソコンに映る。
『なんか元気無いね、祐樹』
「…夏の移籍、無理かも」
祐樹が大きく溜め息をついた。
『…そっか』
「何チームか興味は示してくれてるけど、交渉まではしてくれなくて」
『私はずっと待ってるから』
「…うん」
『だって、祐樹はずっと私の事待っててくれたでしょ？だから次は私が祐樹を待つ番だね』
「俺の事ちゃんと待っててくれる？」
『もちろん』
私の言葉を聞いた祐樹が笑顔になる。
「あー、残り半年Aの為に人生の全てかけるって言ったのに、俺格好わるいな 笑」
『そんな事ないよ。祐樹はいつでも私のヒーローだもん』
「ありがとう。あー、早くAに会いたい 笑」
『そういえば、7月に日本に帰るね』
「え？本当？また柏にずっといてくれる？」
『わかった 笑』
「嬉しすぎて、明日からまた練習頑張れる」
祐樹が嬉しそうに笑った。
再び変化が訪れたのは6月に入った時だった。
いつもの様に麻也の家で働いていると、真司から麻也に連絡が来た。
「A、真司からスカイプ来てる」
『本当？少し話そうかな』
濡れた手を拭いて、麻也の隣に座る。
「お、Aやん。久しぶりやな」
『真司も元気そう』
「おう。まだ内緒なんやけど、ちょっと二人には報告しとこうと思って」
『何？』
「俺、7月にドイツに移籍決まった」
『本当？真司がくるならまた楽しくなるな』
「俺もAと麻也がいるから安心してる」
『お祝いしなきゃね、麻也の家で』
「ご馳走つくっておいて。あとウッチーの分も」
『篤人の分も？』
「うん。ウッチーもドイツ移籍決まったから」
真司の言葉に、頭が真っ白になった
瞳の中で風が吹いて→←蝶の様に羽ばたいても運命を変える事ができない
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rockin(プロフ) - ばっさーさん» ばっさーさん、ご心配かけてごめんなさい。諸事情でパスかけてます。今日中には外せると思いますので！ (2012年12月20日 19時) (
レス) id: 2b31870ecd (このIDを非表示/違反報告)
rockin(プロフ) - けめさん» けめさん、このお話のキーホルダーといえば… (2012年12月1日 16時) (レス) id: 13c04e3708 (このIDを非表示/違反報告)
けめ(プロフ) - 咄嗟に外した蒼いキーホルダーって､あの射的の時のキーホルダーなのでしょうか!? 実は､2人共にまだ大事に持ってるって事ですか!? 何だか……｡ (2012年11月30日 23時) (レス) id: f7f419d5c3 (このIDを非表示/違反報告)
rockin(プロフ) - このページでの更新も一杯になってしまったので、あたらしいうた3を作りました。もしよろしければご覧下さい。http://uranai.nosv.org/u.php/novel/rockin6/ (2012年11月30日 22時) (レス) id: 13c04e3708 (このIDを非表示/違反報告)
rockin(プロフ) - りおさん» りおさん、ありがとうございます！凄く素敵な言葉、とても嬉しいです 笑 (2012年11月30日 22時) (レス) id: 13c04e3708 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：rockin
| 作成日時：2012年11月13日 21時
