ラブセレナーデ13

23 ページ23

手持ち無沙汰で、ペラペラとファッション誌を捲り続ける。





”魅惑の下着特集！”と大きな見出しの下には、何人ものモデルの下着姿。


正直、全く興味が湧かない。






俺のAの下着姿の方が、断然可愛いな

もったいないから、絶対に誰にも見せないけど




Aをチラリ見ると、ちょうど俺の特集に差し掛かった頃だった。







俺の記事を見たAが、ふわりと笑った。


嬉しそうで、そして、幸せそうな表情。






こんな表情をさせる事が出来るのは、俺だけなんだ


そう思うと、泣きそうなくらい嬉しくて。




柔らかい表情で俺の記事を読むAに、言葉に出来ない程の幸せで心が満たされる。








『私って、凄い人の彼女なんだね 笑』


幸せそうに笑うA。





「そ？」という照れ隠しの言葉は、俺の手元で止まったAの視線に、喉の奥で消えた。

自分の手元に視線を落とすと俺が開いていたページは、魅惑の下着特集の所。






篤「いや、別にこのページを見てた訳じゃ無くて」


言い訳なんて格好悪いな、と思いながらも俺は必死にAに言い訳の言葉を並べた。




・




俺の言い訳をクスクス笑いながら聞いていたAを見ながら思い出したのは、麻也から「これも、晴から」と渡された、2個の袋。

それぞれ、ウッチーへ Aへ と書いてある。






A『なんだか、嫌な予感がする』

手渡した袋を、そっと覗くA。






『可愛い。ドイツで受けがいいかも 笑』



Aが袋から出したのは、相撲の技がいくつもプリントされたエコバック。

ドイツでもSumo Wrestlingと言われ、確かに知名度はある。



アニカが喜びそうだななんて思っていると、『篤人へのプレゼントは何だろうね』と、Aがキラキラした目で見つめた。







なんだ、今回は普通のものか



なんて内心ガッカリしながら、俺へのプレゼントの袋に手を入れる。


何だろう、と思い袋から出したソレは、ツルツルスベスベした白い布




広げるとそれは、エレガントなレースがあしらわれた、先程見た雑誌の下着特集で紹介もされていたスリップとかいうヤツで




スリップを取り出した時にヒラヒラと落ちたカードには

”今夜が楽しみだね、ウッチー”と、メッセージが書かれていた。







…0.01ミリといい、このスリップといい

今夜は、素敵な夜になりそうです




俺が広げたスリップにフリーズしたAを見て、今夜は21時にはベッドに入ろうと決意した

24→←22

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す