13 翔平SIDE ページ13
翔「………くっ…」
涙はとめどなく溢れ続け
静かな部屋には雨の降る音と、俺の嗚咽が響く。
『…大丈夫だよ』
彼女の声が、微かに届いた。
彼女はもう一度『大丈夫だよ』と呟き、静かに俺の手を握った。
俺は、エリナに幸せだけを祈ってる
エリナが笑ってくれれば、それだけでいい
エリナが幸せになれるんだったら、俺は何でもするよ
エリナ。幸せになれよ
お前が幸せになれるんだったら、俺は……
声を出して泣く俺の背中を、彼女の温かい掌が優しく撫でる。
A『大丈夫』
彼女の声が、あの日のエリナの声と重なった。
母さんが死んだあの日。
あの日エリナは俺の手を握り、大丈夫だよと、ただ一言呟いた。
彼女にあの日のエリナが重なり、また俺は声を出して泣いた。
大丈夫だよ
彼女の声が、俺の心の奥深くに、ゆっくりと溶けていく
・
彼女のiPhoneが鳴った。
彼女はゆっくりと立ちあがり、テーブルの上からiPhoneを取り上げ、電話に出た。
A『…うん。うん。大丈夫 笑』
内田だろうな、と思った。
彼女が、幸せそうに笑う。
幸せそうに笑っている彼女の首には、俺の指の赤い跡。
幸せそうに笑う彼女の服は破られ、乱れていて。
A『うん。頑張ってね。風邪ひかないようにね』
そう言った彼女は、電話を切った。
さっきまで俺に襲われていたのに、何事もなかった様に電話を切った彼女は
『今夜は試合だから、翔平君も応援してね』と振り返り、笑った。
翔「…俺、」
彼女は俺の言葉を遮り、『大丈夫』とまた笑った。
彼女を傷つけても、エリナは喜ばない
彼女を傷つけても、内田はエリナに振り向かない
独りよがりの想いを勝手に彼女にぶつけ、本気で彼女を傷つけようとした自分に、吐き気がする程絶望した。
・
どうやって家に帰ったか、覚えていない
気がつけば自分のアパートの前にいた。
彼女を傷つけた先に、俺は何を見ようとしていたんだ？
俺は、バカだ
大バカだ
胸が張り裂けそうな程の後悔が、俺を襲う。
重い足取りで階段を登っていくと、俺の部屋の前に座るエリナの姿が見えた。
エリナ「遅いよ、翔平。せっかくケーキ買って来たのに。早く誕生日祝いしよ。
おばさんにお花も買って来たよ。命日だもんね」
花とケーキ箱を掲げ無邪気に笑ったエリナに、視界が涙で揺れた。
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翡翠 - こんばんは♪今日、実在する一ノ瀬薫クンに、ネタとして話しました(笑)梅干しありがとうとか、ヒロインちゃん&うっちーの家にしょっちゅうご飯食べにくるズーズーしさ等、話題になります(笑)ウケてましたよ♪ (2014年12月28日 0時) (
レス) id: 90ca347dba (このIDを非表示/違反報告)
にの(プロフ) - 午前中、働いて来た私。今から、読みま〜す。わくわく (2014年12月23日 12時) (レス) id: c2e0a37395 (このIDを非表示/違反報告)
rockin(プロフ) - にのさん» にのさ〜ん！アニマル親子に気合を入れられ、新章立ち上げましたー！どうか気づいて〜 (2014年12月23日 10時) (レス) id: 7413492da2 (このIDを非表示/違反報告)
にの(プロフ) - こんばんみ、にのです。アニマル京子、うけました〜笑。。私も、夕飯にビールです。必死にキリンののどごし生を飲み、樽サーバーを欲しい私。そうよ、ビールだ、鏡月だ、日本酒だ、焼酎だ笑。そして、ラブセレナーデだ〜。 (2014年12月22日 15時) (レス) id: c2e0a37395 (このIDを非表示/違反報告)
rockin(プロフ) - ショコラさん» ショコラさんのお知らせ読みました。唯一読ませて頂いてた小説なので寂しいですが、また再開を心待ちにしていますね。ショコラさん、これからも仲良くしてください〜！新作はいつ公開出来るかな〜。どちらも頑張ります！ウッチーが赤フンに戻るのはいつかな？ (2014年12月22日 15時) (レス) id: 7413492da2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：rockin
| 作成日時：2014年10月25日 12時
