12 翔平SIDE ページ12
あの日の事が、頭の中を駆け巡っていた。
あの日も、雨が降っていた。
・
「陽！どういう事だよ！」
俺の横を通り過ぎようとする陽の手を掴んだ。
陽が差していた傘が、落ち葉の上にハラリと転がる。
転がった傘には見覚えがあって、あぁエリナの家で見た傘だと、思い出した。
雨粒が傘を滑っていく。
・
陽「どういう事って、そういう事だよ」
「そういう事って…」
陽「千尋のお腹には、俺の子供がいる。俺は千尋と結婚する」
「…お前」
陽「千尋は、産みたいって言ってるんだ」
「だからって」
陽「エリナには本当に悪いと思ってる。最低な事をしてるって思ってる。
でも、千尋に一人で子供を育てさせる訳にはいかない」
「そんな…」
陽「俺は千尋と子供と生きていく。もう、決めたんだ」
「お前、エリナがどんな想いでその話を聞いたか考えたか？」
陽「…翔平」
「お前がエリナを幸せにするんじゃなかったのかよ？お前、エリナと結婚したいって言ってただろ？ふざけんなよっ！」
陽が、静かに目を瞑った。
その瞼の裏に映るのは、エリナなのか千尋なのか
ゆっくりと開けたお前のその目には、もうエリナは映らないのか？
陽「……悪い」
俺と目を合わさず、傘も拾わずに、陽は俺の前から去って行った。
エリナの愛が、終わっていく
エリナの純粋な愛が、静かに終わっていく
陽が歩くその道に、もうエリナはいない
どうにもならない現実に俺は雨に打たれたまま、ただ陽の背中をただ見ていた。
”悪い”
あの日の陽の声が、今も耳に残っている。
俺の前から去って行く陽の背中が、今も瞼の裏に焼き付いている。
悔しくて、血がにじむ程握っていた拳の痛みは、今も消えない。
・
俺は、エリナが幸せになれるんだったら、何でもするよ
エリナがまた幸せに笑えるなら、俺は何だってやってやる
エリナが笑ってくれば、それでいい
エリナは、俺の太陽なんだ
この女(ひと)を傷つけるのは間違いだなんて、わかってる
こんなの、間違ってる
わかってるんだ
エリナ。好きだよ
・
翔「……くっ…」
頬を流れる温かい感触で、自分が泣いている事に気付いた。
涙は止めどなく溢れ、俺が馬乗りになっている彼女の頬に落ちていく。
憐れむ事なく同情する事なく、俺に首を絞められたまま
彼女は静かに、俺を見ていた
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翡翠 - こんばんは♪今日、実在する一ノ瀬薫クンに、ネタとして話しました(笑)梅干しありがとうとか、ヒロインちゃん&うっちーの家にしょっちゅうご飯食べにくるズーズーしさ等、話題になります(笑)ウケてましたよ♪ (2014年12月28日 0時) (
レス) id: 90ca347dba (このIDを非表示/違反報告)
にの(プロフ) - 午前中、働いて来た私。今から、読みま〜す。わくわく (2014年12月23日 12時) (レス) id: c2e0a37395 (このIDを非表示/違反報告)
rockin(プロフ) - にのさん» にのさ〜ん！アニマル親子に気合を入れられ、新章立ち上げましたー！どうか気づいて〜 (2014年12月23日 10時) (レス) id: 7413492da2 (このIDを非表示/違反報告)
にの(プロフ) - こんばんみ、にのです。アニマル京子、うけました〜笑。。私も、夕飯にビールです。必死にキリンののどごし生を飲み、樽サーバーを欲しい私。そうよ、ビールだ、鏡月だ、日本酒だ、焼酎だ笑。そして、ラブセレナーデだ〜。 (2014年12月22日 15時) (レス) id: c2e0a37395 (このIDを非表示/違反報告)
rockin(プロフ) - ショコラさん» ショコラさんのお知らせ読みました。唯一読ませて頂いてた小説なので寂しいですが、また再開を心待ちにしていますね。ショコラさん、これからも仲良くしてください〜！新作はいつ公開出来るかな〜。どちらも頑張ります！ウッチーが赤フンに戻るのはいつかな？ (2014年12月22日 15時) (レス) id: 7413492da2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：rockin
| 作成日時：2014年10月25日 12時
