1 翔平SIDE ページ1
初めてエリナに会った日の事は、覚えていない。
物心ついた時には、もうエリナはいた。
たまたま近所だった夫婦が仲良くなり、偶然に同じ時期に子供を授かり、数ヶ月違いで産まれた子供が、俺とエリナ。
ただ、それだけの事。
幼稚園も一緒で、小学校も一緒で。
小学校低学年の頃はいつもエリナと一緒に帰っていたが、学年が上がるにつれ、俺達を同級生がからかい始めた。
「お前達いつも一緒に帰るけど、デキてるの？」
今考えれば、異性に興味を持ち始める年頃だっただけ。
そして俺をからかったヤツは、エリナに淡い恋心を持っていたんだと思う。
俺は周りにエリナとの事をからかわれるのが嫌で、エリナと少し距離を置き始めた。
エリナに一緒に帰ろうと言われても、俺は「女と一緒に帰るなんて、ぜってーヤダ」なんて生意気な事を言っていた記憶がある。
そんな俺をエリナは、寂しい目で見ていた。
俺の母さんは、おっちょこちょいな人だった。
スーパーに買い物に行っても、必ず何かを買い忘れる。
コンビニに行ってお金を払ったのに、商品をもらうのを忘れる。
毎年、誕生日ケーキの蝋燭をもらい忘れる。
誕生日ケーキを開けた時に蝋燭をもらい忘れた事に気づく為、父ちゃんが毎年ケーキ屋に蝋燭をもらいに走っていた。
母さんが死んだのは、10歳の時だった。
その日は俺の誕生日で、母さんは予約していたケーキを取りに行き、家に帰る途中のことだった。
誕生日ケーキは数ヶ月前に、母さんに見せてもらったケーキ屋のパンフレットに載っていたやつで。
「翔平、好きなケーキを選んでいいわよ」と言った母さんに俺が張り切って指を差したのは、チョコ生クリームの2段ケーキ。
「こんなに大きいの食べれないわよ」と笑う母さんに、俺は「絶対残さないからお願い」と、しつこく頼み、
「今年だけだからね」と、母さんが笑った。
「絶対に、ケーキの蝋燭忘れないでね」
これが、母さんとの最後の会話だった。
やっぱり蝋燭をもらい忘れた母さんは、急いでケーキ屋さんに戻った。
無事蝋燭を貰い、家に帰っている途中、
居眠り運転の大型トラックが母さんの車に、突っ込んだ。
即死だった。
母さんの遺体は、子供の俺には見せられない程ヒドかったみたいで。
グチャグチャになった車の中で、俺の誕生日ケーキは綺麗なまま、残っていた。
母さんが最後に握っていたのは、10本の蝋燭だった。
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翡翠 - こんばんは♪今日、実在する一ノ瀬薫クンに、ネタとして話しました(笑)梅干しありがとうとか、ヒロインちゃん&うっちーの家にしょっちゅうご飯食べにくるズーズーしさ等、話題になります(笑)ウケてましたよ♪ (2014年12月28日 0時) (
レス) id: 90ca347dba (このIDを非表示/違反報告)
にの(プロフ) - 午前中、働いて来た私。今から、読みま〜す。わくわく (2014年12月23日 12時) (レス) id: c2e0a37395 (このIDを非表示/違反報告)
rockin(プロフ) - にのさん» にのさ〜ん！アニマル親子に気合を入れられ、新章立ち上げましたー！どうか気づいて〜 (2014年12月23日 10時) (レス) id: 7413492da2 (このIDを非表示/違反報告)
にの(プロフ) - こんばんみ、にのです。アニマル京子、うけました〜笑。。私も、夕飯にビールです。必死にキリンののどごし生を飲み、樽サーバーを欲しい私。そうよ、ビールだ、鏡月だ、日本酒だ、焼酎だ笑。そして、ラブセレナーデだ〜。 (2014年12月22日 15時) (レス) id: c2e0a37395 (このIDを非表示/違反報告)
rockin(プロフ) - ショコラさん» ショコラさんのお知らせ読みました。唯一読ませて頂いてた小説なので寂しいですが、また再開を心待ちにしていますね。ショコラさん、これからも仲良くしてください〜！新作はいつ公開出来るかな〜。どちらも頑張ります！ウッチーが赤フンに戻るのはいつかな？ (2014年12月22日 15時) (レス) id: 7413492da2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：rockin
| 作成日時：2014年10月25日 12時
