ラブセレナーデ12

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『こんにちは 笑』

女の子を連れて帰った事に全く動揺しなかったAは、笑顔で結城エリナを迎えた。





…少しくらい、ヤキモチ妬いてくれてもいいのに

なんて考える俺は、Aの事にだけはやっぱり余裕が無い。




「この子、俺の彼女のA」と紹介すると、結城エリナがビシっと背筋を伸ばした。



エリナ「は、初めまして、結城エリナです！内田さんの大ファンです！」

A『私も、内田さんのファンです 笑』






…聞いた？

Aが、俺のファンだって言ったよ？


何気ないAの言葉が、俺はこんなに嬉しい。








エリナ「Aさん。サイン下さい！」

その言葉に、俺とAは目を丸くした。





篤「サインって…。Aは、普通の子なんだけど」

エリナ「そうでした！内田さんの彼女さんなので、てっきり有名人だと勘違いしちゃって…」


そんな結城エリナとAが仲良くなるのに、時間は掛からなかった。






A『エリナちゃん。ご飯も食べて行かない？』

エリナ「いいんですか？」

A『うん。ご飯はみんなで食べた方が楽しいし 笑』

エリナ「じゃぁ私が2人前くらい食べてみせます！」

A『そういう事じゃ無いよ、エリナちゃん 笑』




楽しそうなAを見るだけで、俺も嬉しい。






エリナ「Aさん。夕飯のお手伝いします！」

A『エリナちゃんは、篤人の相手をしてあげて』

エリナ「ギャー！無理！」

A『あはは』





何かを食べる度に「超美味しいです！Aさん、お店開けますよ。私、毎日通います！」と言う結城エリナに笑い、賑やかに時間は過ぎていった。




「結城さんを送るけど、Aも行かない？」と言う俺に、『洗い物があるから、私は家にいるね』と答えたAに、俺はまた少し悲しくなり




…今夜は、お仕置き決定

お仕置きだから、今日は立ったまま後ろからね


なんて考える俺は、今日もバカだと思う。






「ギャー！また助手席！」と騒ぐ結城エリナを無事に家に送り届け、俺は計画通りAに立ったまま後ろからお仕置きをした。





・





次の日の練習後のファンサービス中に、翔平の姿を見つけた。

俺をじっと見る翔平の顔は、険しい。





「どうした？」と近づくと

「…エリナに、自分の彼女を会わせるなんて…」と、翔平は静かに俺を睨んだ。


翔平の目には、強い怒り。






「え？」

翔「…残酷だな、あんた」


そう言った翔平は俺に背を向け、歩いて行った

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