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蒼をケルンの駅に送り届けたのは、すっかり夕方になった頃。
その日は珍しく夕日が顔を覗かせ、辺りを幻想的に赤色に染めていた。
『蒼さん。気をつけて、日本に帰ってくださいね』
「ありがとう、Aちゃん。次は、静岡においでね」
『はい。是非 笑』
蒼と笑顔で話すAを、夕日が照らす。
綺麗だな、なんて思いながらずっとAの姿を見ていた俺は、本当にどれだけAの事が好きなんだろう。
「あっちゃんも麻也君も、ケガには気をつけて。毎試合、テレビの前で応援してるね」
夕日に照らされた蒼が、笑った。
「ん。楓と莉子に、よろしく」
「うん。ねぇ、あっちゃん」
「ん?」
俺の耳元で声を潜めた蒼が、
「あっちゃん。Aちゃんの事、見過ぎ 笑。練習中もチラチラ見てたし、今もずっとAちゃんの事見つめてるし。わかりやすいな、あっちゃんの愛は 笑」と、笑った。
「………別に、見てないけど」
そんな俺の言葉に、「嘘だね 笑。これが両想いじゃなかったら、あっちゃんは完全なストーカーだね」と、蒼が更に楽しそうに笑い、
「じゃぁ、行くね。次は、日本でね」と、改札の向こうに消えた。
Aは蒼の姿が完全に見えなくなるまで、ずっとその後ろ姿を見ていて、
そんなAの姿をずっと見ていた俺は、やっぱりストーカーに見えるかもしれない、と少しだけ思った。
・
何か夕飯食っていかない?という麻也を無視して、家へ車を走らせた。
助手席に座るAの手をいつ握ろうとずっと考えている俺は、まるで高校生のようで。
でも、今夜は絶対に抱いてやると思う俺は、やっぱり大人で。
『蒼さんって、凄く素敵な人だね』とAが何気なく言った言葉に、ちょっとだけ嫉妬して。
Aは俺だけ見てればいいよと本気で思う自分に、少し笑って。
赤信号で止まった時に、Aの手を握る。
俺よりも随分小さな手から伝わるのは、愛おしい温もり。
嬉しそうに笑ったAに、スゲー幸せだなって感じて。
何があっても、この手を守る
そう思う俺は、やっぱり大人で。
一緒に、風呂に入りたいな
湯船で、Aを抱きしめたいな
今夜は、あのピンクと黒のフロントホックを着てくれないかな
今夜はあの下着を着て欲しいって、どう言ったらスマートなんだ?
……今夜こそ、片手で外してやる
家が近づくにつれ煩悩が俺を支配しはじめ、俺は家へと急いだ。
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rockin(プロフ) - 大野担なマヤニスタ。さん» 大野担なマヤニスタ。さん。大野さんファン、多いな。さすがリーダー。私は『魔王』の成瀬さんにメロメロです 笑。翔平は本当は違う漢字だったのですが、嵐が好き過ぎて…。翔平のキャラに、今は翔君の漢字を使った事に後悔しています…。冷たい翔君の目も好き☆ (2014年10月25日 14時) (レス) id: dc0e1ffc32 (このIDを非表示/違反報告)
rockin(プロフ) - めいさん» めいさん。料理が得意なのはいい事です。まずは、男の胃袋を掴め!と言いますからね。今日から新しい章に移ります。どうかお付き合い下さい! (2014年10月25日 14時) (レス) id: dc0e1ffc32 (このIDを非表示/違反報告)
rockin(プロフ) - mochipandaさん» mochipandaさんの関西弁、可愛過ぎて悶えます。私が男なら、告白してるなきっと。今日から新しい章に移ります。どうかお付き合い下さい! (2014年10月25日 14時) (レス) id: dc0e1ffc32 (このIDを非表示/違反報告)
さとちゃんぽ(プロフ) - rockinさん、こんばんみ(*≧∀≦*)ちょっと、ウッチー!翔平のあの無表情、すぐに忘れちゃダメ!!主人公ちゃんは、疑う気持ちゼロなんだからあ!もう、これらの展開にドキマキしちゃいますぅ(°Д°) (2014年10月24日 23時) (レス) id: f30672dd4c (このIDを非表示/違反報告)
大野担なマヤニスタ。 - ひゃあすみません!文法おかしいですね(;_;) 翔平くんがなぜか櫻井翔くんに脳内変換されます 笑 冷たい目の櫻井くんが思い浮かびます....笑 (2014年10月24日 22時) (レス) id: 0a63f5263a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:rockin | 作成日時:2014年9月2日 9時