アップルソング2

太陽がいつだってすべての証人 ページ1

夜中に喉が渇いて、目が覚めた。





ベッドから起き上がり隣を見ると、眠っていたのは美咲。

長い睫毛と白い肌は、まるでお人形さんのようで。





川島さんは幸せだな。こんな可愛い子が彼女だなんて。
寝顔も、こんなに可愛い。
これじゃ、川島さんもメロメロになる訳だ。
私が男の子だったら、絶対に好きになるな。



美咲のあまりに無防備な寝顔にそんな事を考え、起こさない様にそっと寝室を出た。









リビングに行くと、ソファーでは祐樹が眠っていた。
静かに冷蔵庫を開け水を出すと背中越しに聞こえて来たのは「A、起きたの？」との声。

振り返ると、祐樹が眠そうに目をゴシゴシと擦っていて。







『ごめん、祐樹。起こしちゃった？』
「ん。大丈夫」
『そこでちゃんと眠れる？』
「Aが隣で寝てくれたら、きっと朝までぐっすり寝れる 笑」
『じゃぁ、朝まで起きてて 笑』
「冷たいな、A 笑」


笑いながら祐樹が体を起こし、「A。ここ、どうぞ」と自分の隣をポンポンと叩く。






『えー。そこ？』
「そう。ここ」
『祐樹、何か飲む？』
「Aの飲んでる水を、仲良く二人で飲む 笑」
『ダメ 笑』
「やっぱり 笑」


冷蔵庫からもう一本水を取り出し、少しだけ間を空けて祐樹の隣に座れば「この距離感、なんか微妙 笑」と、祐樹が笑って。








「指輪、寝る時は外してるの？」
『うん。お風呂入る時も、料理してる時も外す。勿体なくて、なんとなく 笑』
「内田先輩が指輪をはめてる姿、全然似合わなくて笑える 笑」
『あはは。篤人は、ゲストルームで寝てるの？』
「そう。ベッドは3人分だから、必然的に俺はここ」
『大変だ、後輩は 笑』
「さっきAと美咲先輩がここで眠っちゃって。で、俺がAをベッドまで運ぼうとしたら、内田先輩に怒られた 笑」
『あはは』
「内田先輩って、ああ見えて結構ヤキモチ焼きだよね」
『そう？』
「うん。間違いない 笑。俺のAに絶対に触るなよオーラ、半端無かったもん。だから俺は、美咲先輩を運んだ。川島さんに美咲先輩を抱き上げた事バレたら、怖いけど 笑」
『あはは』
「Aの旦那さんが内田先輩で、本当に良かった。結婚したAを見て、毎回そう思う」
『ありがとう、祐樹』
「でもさ、」
『なに？』








”Aのヒーローは、永遠に俺だけどね。そこだけは、内田先輩にも他の誰にも譲らない 笑”





そう言った私のヒーローは、やはり太陽の様な顔で笑った。

夕陽を待つ時→

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