成長するって事 涙見せたっていいぜ ページ33
優しい祐樹の眼差しに蘇る、温かな記憶。
”俺はきっと内田先輩以上にAを幸せに出来ない”
”俺はAに幸せになって欲しいだけ”
”俺もね、幸せになりたいんだ。だからわかって”
”Aが笑ってくれないと、別れた意味がないんだけど”
”Aが幸せになってくれないと、俺も幸せになれないんだからね”
「せっかく綺麗にしてもらったのに」
ポロポロと流れる涙を、祐樹が笑いながら拭ってくれて。
頬に触れる祐樹の深い愛情に、また涙が溢れる。
あの日の祐樹の言葉が無かったら、もしかしたら篤人とこうなっていなかったかもしれない。
”愛する人の幸せを願う愛っていうのもあるんだ”
「ほら。ちゃんと笑って」
『…ありがとう、祐樹』
「やっぱりAは、笑顔が一番」
『うん』
「あ。邪魔者が来た 笑」
そう言って笑う祐樹の目線の先には、袴姿の篤人がいた。
「大津。なに人の奥さんにちょっかい出してるの？」
「実は今、どうやってここから一緒に抜け出すかって相談をしていたんです 笑」
「そんな事、絶対にさせないから」
「どうかな 笑」
「邪魔。どっか行け」
「はいはい。本当に独占欲が強いな、この新郎は 笑」
笑いながら部屋を出て行く祐樹の後ろ姿に思い出したのは、明日香の言葉。
”ウッチーとAの結婚を一番望んでたのは、大津君かもね”
パタンとドアが閉まり、篤人が真っ直ぐ歩いて来る。
「うん。似合う」
そう言った篤人は、ソファーにドカリと座った。
『篤人も、凄く似合ってる』
「もうすぐ、Aのご両親も来るから」
『…ありがとう、篤人』
「娘の花嫁姿を見たいでしょ。ご両親も」
『…うん』
「あ。来た」
立ち上がった篤人が「じゃ、よろしくお願いします」と私の両親に挨拶をし、部屋を出て行った。
「A。綺麗よ」
部屋に入って来たお母さんは、既に涙ぐんでいて。
『ありがとう、お母さん』
「Aは結婚式をやらないって言ってたから、諦めてたんだけど。篤人君がね、どうしてもAの花嫁姿を見て欲しいって」
『…うん』
「篤人君が全ての手配をしてくれて。ワールドカップ前で忙しかっただろうに」
『…うん』
「A、おめでとう。そして、お父さんとお母さんの子供に産まれて来てくれて、ありがとう」
”お父さん、お母さん。私はあなた達の娘で幸せです。今までありがとう”
今日お母さんが流した涙を、私は一生忘れない。
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rockin(プロフ) - まさやんさん» まさやんさん、私の作品を読んでくださりありがとうございます。麻也は縁の下の力持ちですからね。このお話も麻也がいなければ成り立ちません 笑。これからもお付き合いよろしくお願いします！ (2017年2月7日 17時) (
レス) id: 270d8a3f94 (このIDを非表示/違反報告)
まさやん(プロフ) - いつも一気に読んでしまいます(笑)rockinさんの小説に出てくる麻也がよすぎてファンになりそうです(笑) (2017年2月7日 15時) (レス) id: 4ee9324f72 (このIDを非表示/違反報告)
rockin(プロフ) - kikoさん» kikoさん、ありがとうございます。私の作品一覧です。まだ連載している作品もあるので、よろしくお願いします。http://uranai.nosv.org/personal.php?t=rockin (2014年12月30日 12時) (レス) id: 2c77959677 (このIDを非表示/違反報告)
kiko - どうも! 凄く面白い作品ですね このシリーズ?以外にも 小説って だしてます? (2014年12月30日 11時) (レス) id: 1cfaf9f229 (このIDを非表示/違反報告)
rockin(プロフ) - leiraさん» leiraさん、ありがとうございます。コメント、とても嬉しいです！なのに、なかなか更新出来ず…。頑張るぞ！。50話全て埋まってしまったので『アップルソング2』を作りました。引き続きお付き合いよろしくお願いします！ (2014年1月24日 14時) (レス) id: f00963a277 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：rockin
| 作成日時：2013年12月9日 11時
