花が咲いて夜になって ページ4
「Aー。ただいまー」
玄関から聞こえる陽気な声に、料理をしながら頬が緩む。
ドタドタと廊下を走る音が近づき、バタンどドアが開いた。
「どうやった？おっちゃんもおばちゃんも、喜んだやろ」
そう言う真司も、本当に嬉しそうで。
『うん。喜んでた』
「これで、とうとう二人は結婚やな」
『うん 笑』
「内田Aか。ええ名前や。子供は何人作るん？二人の子供なら、めっちゃ可愛いんやろうな。俺、めっちゃ可愛がりそうや」
『真司、気が早すぎ 笑』
「結婚式はどうするん？俺、モルディブに行きたいから、モルディブにせぇへん？」
『結婚式はしない』
「なんでや。女の子って普通、ウェディングドレスとか着たいもんやないの？」
『どうかな 笑。でも篤人も私も、目立つ事苦手だし』
「一生に一度やで。俺やってAのウェディングドレス見たいんやけど」
『今の所、予定は無し』
「えー。ウッチー、頼むわ。バージンロードを一緒に歩いて、俺の手からウッチーの手にAを託すのが俺の夢なんやってー」
ソファーに座っている篤人の所に真司が駆け寄ると、「それって普通、お父さんの役割でしょ」とパソコンの画面から目を離さず、篤人が口を開いた。
「そうやけど。俺もずっとAの事守って来たし」
「関係ないでしょ」
「じゃ、2回結婚式しよう。1回目はおっちゃんと歩く。2回目は俺と歩く。2回目は、俺が結婚式の費用全部出したるわ。やっぱモルディブやな。A、水着持って行くんやで」
真司が一人で勝手な計画を立て始めた時「真司君の声、外まで聞こえてますけど」と、笑いながら祐樹がリビングに入って来た。
「大津は呼ばんからな。Aの結婚式」
「Aなら、絶対に俺を呼んでくれます！」
「ダメや」
「っていうか、真司君が決める事じゃないでしょ」
「俺とAは、一心同体なんや」
「そんなの、Aが迷惑です！」
「なんやと、大津」
熱くなる二人の会話を、私と篤人はただ笑いながら眺めていた。
「真司君、うるせー 笑」
「大津の方がうるさいわ」
「内田先輩。籍を入れるのは、やっぱりワールドカップ後ですか？」
「うん」
「よし、まだ3ヶ月ある」
「…何企んでるの？大津」
「3ヶ月あれば、人の心は変わりますからね。まだ俺にもチャンスがある」
「いい加減諦めろや、大津。Aはウッチーの嫁や」
「映画の卒業みたいに、格好良く連れ去るのもアリでしょ 笑」
「ないわ」
いつもの光景が、今日も繰り広げられる。
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rockin(プロフ) - まさやんさん» まさやんさん、私の作品を読んでくださりありがとうございます。麻也は縁の下の力持ちですからね。このお話も麻也がいなければ成り立ちません 笑。これからもお付き合いよろしくお願いします！ (2017年2月7日 17時) (
レス) id: 270d8a3f94 (このIDを非表示/違反報告)
まさやん(プロフ) - いつも一気に読んでしまいます(笑)rockinさんの小説に出てくる麻也がよすぎてファンになりそうです(笑) (2017年2月7日 15時) (レス) id: 4ee9324f72 (このIDを非表示/違反報告)
rockin(プロフ) - kikoさん» kikoさん、ありがとうございます。私の作品一覧です。まだ連載している作品もあるので、よろしくお願いします。http://uranai.nosv.org/personal.php?t=rockin (2014年12月30日 12時) (レス) id: 2c77959677 (このIDを非表示/違反報告)
kiko - どうも! 凄く面白い作品ですね このシリーズ?以外にも 小説って だしてます? (2014年12月30日 11時) (レス) id: 1cfaf9f229 (このIDを非表示/違反報告)
rockin(プロフ) - leiraさん» leiraさん、ありがとうございます。コメント、とても嬉しいです！なのに、なかなか更新出来ず…。頑張るぞ！。50話全て埋まってしまったので『アップルソング2』を作りました。引き続きお付き合いよろしくお願いします！ (2014年1月24日 14時) (レス) id: f00963a277 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：rockin
| 作成日時：2013年12月9日 11時
