くずれ落ちて もつれ合って 浮かんでは 沈んで ページ38
(篤人君といると、自然体になれる。出会えて良かった 凛)
(凛さんは一緒にいても全然苦じゃない。いつも楽しい時間を与えてくれる 内田)
(篤人君は私が落ち込んでたとき、朝まで付き合ってくれた。感謝してます 凛)
(凛さんっていろんな意味でいい女だよね。ある意味理想的な女性かも 内田)
活字が私の目に飛び込んで来る。
そしてピッタリ寄り添う二人の写真。
心臓が鷲掴みにされた様に苦しい。
思わず手を胸に当てた瞬間、雑誌が閉じられた。
「ミチ、余計なもの見せるな 笑」
篤人が笑いながら安田君に雑誌を返した。
「だってウッチー、モデルに向かってこんな事言ってるんやもん 笑」
「半分はライターが適当に書いたんだって。俺こんな事いってねーもん 笑」
『私も凛さんに会った事あるよ。いい人だよね』
私は安田君に精一杯笑顔で話した。
ちゃんと笑えてたかな。
相変わらず胸は苦しいままだった。
安田君と槙野君と篤人がまだ話しているのを見て、気づかれない様にその場を離れた。
会場を出ようとしたとき、優しく腕を掴まれた。
麻也だ。
「A、大丈夫？」
心配そうに私の顔を覗き込む。
『何が？』
精一杯強がるが、麻也には全てお見通しだ。
「A、無理するな」
『大丈夫だってば。麻也、ありがとう』
「俺はAの味方だから。いつでも助けるからな」
『…ありがとう、麻也』
麻也が私を胸に抱き寄せる。
小さい頃から私が泣いているとき、悲しいときはいつもこうして私を落ち着かせてくれる。
しばらく目を瞑って、麻也に身を任せた。
『もう大丈夫。ありがと、麻也』
麻也の目をしっかり見て、私は麻也から離れた。
同窓会もお開きになり、会場を後にした。
「Aちゃん、また遊んでなー。大阪来たらええのに」
「いや、Aちゃんは広島男児の方が合ってるけん、広島に来ればええよ」
安田君と槙野君の声を聞きながら、大きく手を振って篤人とホテルに向かう。
「ミチも槙野も相変わらずうるせー 笑」
『元気で安心した。ちゃんとみんな自分の道を歩んでるんだね』
「そうだな」
ホテルにつき、いつものように篤人が優しいキスを落としてくれる。
篤人の熱い息づかい
篤人の汗ばんだ肌
私を包む大きな手
こんなに近くにいるのに。
篤人の温もりを感じながら、心が満たされない夜は初めてだった。
胸の奥に潜んでいる何か黒い固まりが、少しずつ少しずつ大きくなる。
それにまだ私は気づいていなかった。
夢のかけら拾いあげても世界は変わらない→←風が冷たすぎてなんだかちょっと寂しくなるんだ
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momotan(プロフ) - おはようございます。最初から一気にここまで読んだのですが、二人が別れた時、苦しすぎてちょっとプチパニックになりました。落ち着かせる為にわざと我慢せず泣いて頭冷やすためにカキ氷食べました 笑 続き楽しみです 幸せならいいなあ （ ; ; ） (2014年7月21日 6時) (
レス) id: 713fce9fe2 (このIDを非表示/違反報告)
香代(プロフ) - 朝から一気に読ました！そしてまた、大号泣です(TT)切ない…切な過ぎます(T_T)rockinさん最高です！ (2014年6月17日 14時) (レス) id: 53631b236d (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 小説で初めて泣きました。続編はまだ読んでないですが、またくっつかないかなぁ、と熱望してしまいます。笑 (2014年5月4日 21時) (レス) id: 54946c3b64 (このIDを非表示/違反報告)
コンタック(プロフ) - 分かっていたのに大号泣…あたらしいうたに進む前に素晴らしい日々をかラブセレナーデ で精神安定を図らねばとも思いましたが、どっちも結局 涙無しで読めないですし。迷い所です(._.) (2014年4月21日 20時) (レス) id: fe922a9518 (このIDを非表示/違反報告)
ライチ(プロフ) - 切なすぎです。もう切なくて苦しくて泣いちゃいました。 (2014年2月11日 9時) (レス) id: 5e8b0ee40a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：rockin
| 作成日時：2012年10月24日 10時
