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夜がやってきて僕にささやくんだ ねえキスしなよって ページ29

篤人の腕にスッポリと包まれる。

『今日の篤人格好良かった』
「…ん」
『なんか凄い人が私の彼氏なんだって思った 笑』
「普通だって」
篤人の顔が近づいた瞬間、携帯が鳴る。

溜め息をつき、篤人が電話に出た。

「お疲れ。え?いるけど。ダメ。邪魔すんな 笑」
笑いながら篤人が私に携帯を差し出す。

「麻也、Aに会いたいって 笑」

篤人から携帯を受け取り、麻也と話す。

『麻也、お疲れさま』
「A、今日泊まるの?」
『うん』
「どこのホテル?」
『知らない 笑。篤人が取ってくれたホテルだから』
「ちょっとだけ会いたい。A、ウッチーに代わって」

篤人が溜め息をつきながらホテルの名前を教えると、30分程してから麻也が到着した。
部屋に入るなり、麻也が部屋の中を見渡す。

「ちょっとウッチー!こんないい所に泊まるの?」
「そう」
「さすが鹿島の不動のサイドバック 笑。俺にはこんな所無理だ」
「俺も初めてだから、こんな所。どっちにしても麻也、泊まる相手いないじゃん」
「何?俺だって名古屋ではモテモテなんだぞ 笑」
「うそつけ」
「自分に彼女がいるからって余裕こきやがって 笑」

久しぶりの二人の会話に思わず笑顔になる。

『麻也、お疲れ様』
「A!久しぶり。今日こっちに泊まりだからどうしても会いたかった 笑」
『ありがとう、麻也』
「ウッチーに負けて悔しい!」
『麻也も凄いね、フル出場なんて』
「まだまだここからだけどね」
「また名古屋と試合しても鹿島が勝つけどね」
篤人が笑う。

「何?ウッチー。次は名古屋のホームだから、コテンパンにしてやる!」

楽しい時間はあっという間に過ぎて行く。

「A、ウッチー、俺行くわ」
麻也が立ち上がる。

『うん。気をつけてね。東京来たら連絡してね』
「当たり前。ウッチーがいなくて寂しいAにしょっちゅうスカイプするから 笑」
『待ってる 笑』

麻也が私の頭を撫でる。
いままでずっと私を支えてきてくれた優しい大きな手。
そこには、いつもと変わらない優しい麻也の笑顔があった。

「じゃぁね。ウッチー、モデルとかと合コンしてスクープされてAの事泣かせるなよ!」
「大丈夫だから 笑」


扉が閉まった途端、篤人に後ろから抱きしめられる。

後ろから感じる篤人の温もり。

ここに篤人がいる。

そう思うと心の底から嬉しかった。

もうあの週刊誌の記事や、凛さんの事は頭から消え去っていた。

篤人に導かれ、大きな大きなベッドに二人の体は沈んだ。

雲が早い速度で何処かへ流れていく→←見た事の無い綺麗な花を君に飾ろう



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momotan(プロフ) - おはようございます。最初から一気にここまで読んだのですが、二人が別れた時、苦しすぎてちょっとプチパニックになりました。落ち着かせる為にわざと我慢せず泣いて頭冷やすためにカキ氷食べました 笑 続き楽しみです 幸せならいいなあ ( ; ; ) (2014年7月21日 6時) (レス) id: 713fce9fe2 (このIDを非表示/違反報告)
香代(プロフ) - 朝から一気に読ました!そしてまた、大号泣です(TT)切ない…切な過ぎます(T_T)rockinさん最高です! (2014年6月17日 14時) (レス) id: 53631b236d (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 小説で初めて泣きました。続編はまだ読んでないですが、またくっつかないかなぁ、と熱望してしまいます。笑 (2014年5月4日 21時) (レス) id: 54946c3b64 (このIDを非表示/違反報告)
コンタック(プロフ) - 分かっていたのに大号泣…あたらしいうたに進む前に素晴らしい日々をかラブセレナーデ で精神安定を図らねばとも思いましたが、どっちも結局 涙無しで読めないですし。迷い所です(._.) (2014年4月21日 20時) (レス) id: fe922a9518 (このIDを非表示/違反報告)
ライチ(プロフ) - 切なすぎです。もう切なくて苦しくて泣いちゃいました。 (2014年2月11日 9時) (レス) id: 5e8b0ee40a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:rockin | 作成日時:2012年10月24日 10時

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