ラブセレナーデ7

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メッセージ画面を出しては、消し
Aの電話番号を表示しては、消し


もう、何度繰り返しただろう。







俺からメッセージを送ったのは、10時。
今は14時。





「まだAから返信来ないの？」

そんな俺をニヤニヤ見ているのは、顔長男。
せっかくのオフを、何故顔長男の家で過ごさなければいけないのか。




一人暮らしには、慣れているはずだった。
Aがドイツに来る前は、ずっと一人暮らしだったし。
それが、Aがドイツに来てくれた数ヶ月の間で、一人で家にいることがなんだかつまらなくて。
気がつけば、顔長男に電話をしていた。







「無理しないで、早めにAにドイツに戻って来てもらえば良かったのに 笑」
「たった2日間のオフが終われば俺、すぐに二次キャンプでしょ。可哀想じゃん」
「確かに 笑。だからって人の家に来て、溜め息ばかりつかないでくれない？」


俺を見て相変わらずニヤニヤする顔長男に、思いっきりクッションを投げつけた。




チャリンとメールを受信した音が聞こえ、すぐにiPhoneを手に取る。
真っ黒な画面に、溜め息が出た。









「今日は、プールに行ったんだってさ」


iPhoneの画面を見ながら笑う、顔長男。
プールという言葉に、ピクリと耳が動く。







「…晴ちゃんから？」
「そう」


Aからのメールじゃない事にホっと胸を撫で下ろすが、次に気になるのはプールという単語。






プール？
プールっていう事は、水着になったのか？
どんな水着着たの？俺だってまだ、水着姿を見てないのに。







「…ふーん」
「写真も添付されてきたよ。見る？」


何も言わずに顔長男の手からiPhoneを奪えば、また顔長男が笑って。
とりあえず一発、デコピンをしておいた。






…ちょっとさ、露出し過ぎじゃない？
下半身はスカートで隠してるから、まだいいけど。
上半身はそれ、完全にブラジャーみたいじゃん。


ダメダメ、露出し過ぎ。
こんな姿でプールなんかで遊んでたら、他の男共が絶対にチラチラ見るでしょ。
Aは俺のものなんだから、Aの肌を他の男には見せたく無い！






唖然としている俺を見て、顔長男がプっと吹き出した。


「ウッチーさ。Aの水着姿に驚いてるけど、晴を見てみなよ。もっと、露出してんじゃん」






確かに。
晴ちゃんはきっと、ビキニとかいうやつなんだろう。
それよりも問題は、Aの水着姿だ。




とりあえず俺に画像を転送し、顔長男に送られた画像を消去した。

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