ラブセレナーデ7

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心地いい感触が、背中を這う。


私の知ってる感触。
愛しい唇の温もり。





頭はボーっとしていて、これが夢なのか現実なのかわからない。
ただ、少しずつ体が熱くなって。

耳に微かに届くのは、少しだけ荒くなっている吐息。




そんな中気になったのは、借りている着物の事。


ちゃんと脱いだっけ。
覚えてない。



瞼を開ければ目に入った、青い着物。
ちゃんとハンガーに掛けられている事に安堵するも、背中から伝わる快感が私を包んで。




夢？
現実？




背中を這う快感に身を委ねていると聞こえて来たのは「起きた？」という、篤人の声。
振り向くと、篤人が私の背中から顔を上げた。



私の唇にキスを一つ落とし、自分のTシャツを脱ぎ捨てる篤人。
目の前に現れた逞しい裸の胸に、ドキリとする。





『…篤人』
「なに？」
『ちょっと待って』
「待てる訳ないでしょ」

そう言った篤人が、私の首筋をペロリと舐めた。
ピクンと反応してしまう体。



『待って』
「ダメ」
『お願い、篤人』
「もう無理」
『待って』

私の言葉に篤人が「自分の格好、確認してみな」と、小さな溜め息をついた。



ちゃんと脱いである着物。
上半身裸になった篤人。

布団を少しだけめくると見えた自分の格好に、時間が止まる。




「俺じゃないからね、脱がせたの。俺が脱がせたんだったら、下着も絶対脱がすでしょ」
『…』
「風呂に入ってからねって、Aが期待を持たせて。風呂から上がると、すでにその姿で俺をベッドで待ってた。Aって酔っぱらった方が積極的なんだね。驚いた」
『…』
「と思ったら、勝手にグーグー寝てて」
『…』
「この状況。俺、ほとんど寝てないんだけど」
『…ゴメンね、篤人』
「ずっと我慢してたんだけど。もう、俺が限界」



真剣な目で私を見つめる篤人の目には、欲望が溢れていて。






『…今日の夜、頑張る』

私の言葉に「頑張るって、なに 笑」と、篤人が可笑しそうに笑った。





『お風呂も入ってないし。その、……もう明るいし』
「我慢しろって？」
『……今夜は、きっと』
「ダメ、今。俺も男だから、わかるよね」
『…お風呂に入ってない』
「風呂に入ってなくても、Aは綺麗だから」
『…ダメ』
「ダメ。もう、俺が無理」






”2回、するから”

耳元で囁いた篤人が私の足の間に体を割り込ませ、乱暴に私の下着を剥ぎ取って。





”焦らした分、覚悟しなよ”


熱いキスを送られ、篤人の指先が 既に裸にされた私の体を這った。

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