一人と一体 ページ10
ヨンジュンさん達が帰った後の部屋には
俺と『A』の、二人きり
二人きりと言っていいのだろうか…
一人と……一体。
ヨンジュンさんが帰るのを、部屋の玄関まで見送るために
Aを立ち上がらせた
Aは普通の人間のようにスムーズに歩みを進め
映画に出てくるような、ロボットが動くモーター音なんて
何も聞こえては来なかった
裸足のままの脚は、トントンと床を歩き
真っ白い薄いワンピースには、薄っすらとAの身体のラインが分かるほど
服…買ってこなくちゃな…
ヨンジュンさんを見送った彼女の後姿を見て
そんな事を思った
「A？リビングに戻ろう」
「はい。ジェジュンさん」
Aは、先を行く俺の後を付いてきた
「ここに座って？」
「はい。ジェジュンさん」
ソファに座らせたAの隣に俺も腰を下ろした
「はぁ〜……」
きちんと背筋を伸ばすようにソファに座るAを横目で見ると
前を向いて、時が止まったように動かない
その横顔を観察していると、何秒かに一度
瞬きをちゃんとしていることに気付いた
それは人間よりも少し遅いスピードで
ロボットに何を話しかけたらいいんだろ…
なんでも聞いたら答えてくれるのだろうか？
頭に浮かぶのは幾つもの疑問ばかりで
どうして名前が『A』なのかも知りたい
「ねぇ？」
「はい。ジェジュンさん」
「どうして…『A』っていう名前なの？」
「……。」
俺のそんな問いに、Aは固まったまま動かなくなった
あ…変な事聞いちゃったかな…
Aの様子をじっと観察していると
「すみません。データに無いので、分かりません」
そう答えた
「っは(笑)そうか。ごめん」
「いいえ」
真面目な顔をして答えるAが少し可笑しくて
自然と笑っていた
帰って来てからシャワーも浴びていなかったから
シャワーをしてからAをつまみに酒でも飲もうと考えた俺は
彼女にそれを伝えて立ち上がった
「シャワーしてくる。ここで待ってて？」
「シャワーとは何ですか？」
「あっ…そうか(笑)」
Aを連れてバスルームに向かう
「ここがバスルーム」
「バスルーム」
「そう。お湯が出るこのシャワーで体を洗って綺麗にするところだよ。
分かった？」
「はい。これがシャワーですね」
シャワーヘッドをじっと見つめるA
シャワーヘッドが彼女のデータベースに入ったようだ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 328人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東方神起」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
裕(プロフ) - alexisさん» そんなに猿好きだったかぁ〜？？みたいな( ´艸｀) (2017年11月7日 0時) (
レス) id: 277fbb4572 (このIDを非表示/違反報告)
alexis(プロフ) - 裕さん» 今度は猿山でしたね…( ´艸｀) ひと月、同じ服は〜〜〜〜さすがに埃っぽくなっちゃいますね^_^; 無事に帰って来たジェジュン…ロボットの彼女も無事に過ごしてたかな… (2017年11月6日 19時) (レス) id: c45450e957 (このIDを非表示/違反報告)
裕(プロフ) - みきさん» あっという間の1ｹ月( ´艸｀) (2017年11月6日 16時) (レス) id: 277fbb4572 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 裕さん更新ありがとうございます(*^^*) 1ヶ月…お留守番の私はどうなるんだろう… お出かけ前のハグとキスがとっても切ないけど、幸せで何とも言えない感情でいっぱいですT^T (2017年11月6日 14時) (レス) id: 3edccd7041 (このIDを非表示/違反報告)
裕(プロフ) - rindaさん» じゃあ、頑張って更新しますね♪(*´ω`*) (2017年11月6日 12時) (レス) id: 277fbb4572 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：裕
| 作者ホームページ：http://id29.fm-p.jp/279/jjhh/
作成日時：2016年7月9日 9時
