シェンメイのため息 ページ33
「はぁ‥…」
語学学校の教室につくと、元気印のシェンメイが眉間にしわを寄せながらスマホとにらめっこしていた。
「…おはよ。どしたの？」
声をかけると、彼女は泣きそうな表情でこちらを見る。
『A！聞いて！』(中国語)
すがりつくように私の腕をつかむシェンメイ。中国語が出たと言うことは、相当なことがあったのだろう。
「え、何、どうしたの？でも中国語はやめてね」
「…昨日彼からメールが来てね」
落ち着きを取り戻し、シェンメイが韓国語で話始める。
どうやら中国にいる彼氏の話のようだ。
「距離が離れているから、心も離れ始めているって言われちゃったの…」
「な、なるほど…」
「私の留学期間が終わるまで、遠距離を続けられる自信がないって」
なんだかこういった恋愛相談を受けるのは随分と久しぶりな気がした。
銀行にいたときは後輩とも仲が良かったけれど、正直「恋愛相談に適した先輩」とは思われていなかったことは自覚している。
「…好きな人があっちでできたのかな？」
そう聞くとシェンメイが涙目で私をみる。
『やっぱり！？そうだよね！？それしかないよね！』
また中国語に戻る。
やっぱり私は恋愛相談に適さない人間かも････。
「最近ちょっとメールの件数が減って…昨日電話したら、すっごい暗いテンションで言われたの」
夕ご飯を一緒に食べながら、シェンメイは落ちこんだ様子でぐいっとワインを飲み干す。
「一度会って話してみなよ。メールだとなかなか本心は分からないんじゃないかな」
恋愛経験乏しい私が言えるのはこれくらいだ。
「…うん。７月に元々彼が韓国に来る予定だったんだ。その時話そうって言ってみる」
そういって彼女はスマホを取り出し、メールを打ち始めた。
私は一生懸命メールを打つシェンメイに、少しだけテヒョンを重ねていた。
彼女はテヒョンと同じ年。
やっぱり会えないと寂しく感じるのかな。
私の恋愛観と、20歳のテヒョンとでは、やっぱり考えた方は違うんだろうな。
もし、
もし離ればなれになってしまったら彼はどう思うかな。
最近こんなマイナス思考な考えばかりしてしまう自分が嫌になる。
そんなことを考えていると、「あ」と言ってシェンメイがスマホの画面を見せてきた。
「そうだ、これ知ってる？」
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ちかこ(プロフ) - さやか様 嬉しいお言葉をありがとうございます。この1週間ほど仕事がバタついており更新できず申し訳ありません。待っていただける方がいると書く励みになります。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。ちかこ (2016年2月27日 10時) (
レス) id: b539f91093 (このIDを非表示/違反報告)
さやか(プロフ) - テテペンじゃないのですが、これ以上好きな作品には出会えないのではと思うほど大好きな作品です。本当に言葉選びや間合いや描写がお上手で、ちかこさんのお人柄まで伺えるようです。いつも素敵なお話をありがとうございます。これからも楽しみにしております！ (2016年2月24日 3時) (レス) id: b27862b75c (このIDを非表示/違反報告)
ちかこ(プロフ) - みぃ様 ありがとうございます。段々他のメンバーの絡みも多くなってきて、私も楽しいです！ジン兄さん、小説の中でも残念キャラでごめんなさい…愛すべき残念イケメン！ (2016年2月13日 0時) (レス) id: b539f91093 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 毎回更新楽しみにしてます！中学生テンションのグクに絡まれるテテが面白かったです そして1人何も知らないジンさん…他のメンバーがどんどんで出来て嬉しいです (2016年2月4日 15時) (レス) id: 0f6ae1e55a (このIDを非表示/違反報告)
Robotaxxxx(プロフ) - みぃ様 ありがとうございます！段々と他のメンバーも絡んできそうな雰囲気です…！ (2016年1月31日 0時) (レス) id: 1d1db99c36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちかこ | 作成日時：2016年1月28日 14時
