最強マンネ？ ページ30
完全に固まっている私を前にして、
ジョングクくんはすっとバスを指差し、一言。
「バス」
「…え？」
それは見れば分かるけど…という言葉が喉まで出かかったが、そんなことは彼だって100も承知のはずだ。
ジョングクくんの意図が全くくみ取れず、私は何も言えずにただ立っていた。
「ちょっとちょっとちょっと！」
私が固まっていると、バスの中から焦った様子のテヒョンが飛び出してきた。
「Aさん、ごめん！シートベルトが絡んでて、うまく外せなくて！
てか、ジョングク、勝手に降りるなよ！！」
「だって、テヒョン兄さんが『Aさんと帰るから降ろして』って言うから」
「いいじゃん！」
「なんか仲間はずれにされたみたいだヤダもん」
「で、なんでお前が降りるんだよ！」
「だから、3人でバス乗ればいいと思って」
夜0時半。
街灯の少ない並木道に、テヒョンとジョングクくんの声が響く。
私は頭を回転させて状況を判断した。
恐らく、歩いている私を見かけたテヒョンが「バスを降りる」と言って、それがイヤだったジョングクくんが「じゃぁ3人で乗って帰ればいい」という結論に勝手に至りバスを止め、シートベルトを外せずもたついているテヒョンを置いてバスを降り、
立ちつくす私に対して
「バス」
の一言。
いや、いくらなんでもこれを一瞬で理解するのは難解過ぎる。
そんなことを考えていると、停車中のバスが「プッ」と短くクラクションを鳴らした。
「ほら、運転手も待ってるじゃん」
ジョングクくんが勝ち誇ったような顔でテヒョンに言う。
テヒョンはしゅんとした顔をして私の方を向く。
「Aさん、マンションまでバスで送るから乗って」
「いやでも…」
運転手はマネージャーなのだろうか。
だとしたら私が乗るのは良くないんじゃ…
そんな思いがよぎったが、
「早くしてもらえます？」
先にバスに乗ったジョングクくんから冷静な一言が。
「は、はい！」
この間彼が私の荷物を部屋まで運んでくれた時にも感じたけれど、
9歳下にも関わらずジョングク君には、なぜか「NO」と断れない凄みがある。。
多分テヒョンも同じこと感じているんだろうな･･
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ちかこ(プロフ) - さやか様 嬉しいお言葉をありがとうございます。この1週間ほど仕事がバタついており更新できず申し訳ありません。待っていただける方がいると書く励みになります。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。ちかこ (2016年2月27日 10時) (
レス) id: b539f91093 (このIDを非表示/違反報告)
さやか(プロフ) - テテペンじゃないのですが、これ以上好きな作品には出会えないのではと思うほど大好きな作品です。本当に言葉選びや間合いや描写がお上手で、ちかこさんのお人柄まで伺えるようです。いつも素敵なお話をありがとうございます。これからも楽しみにしております！ (2016年2月24日 3時) (レス) id: b27862b75c (このIDを非表示/違反報告)
ちかこ(プロフ) - みぃ様 ありがとうございます。段々他のメンバーの絡みも多くなってきて、私も楽しいです！ジン兄さん、小説の中でも残念キャラでごめんなさい…愛すべき残念イケメン！ (2016年2月13日 0時) (レス) id: b539f91093 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 毎回更新楽しみにしてます！中学生テンションのグクに絡まれるテテが面白かったです そして1人何も知らないジンさん…他のメンバーがどんどんで出来て嬉しいです (2016年2月4日 15時) (レス) id: 0f6ae1e55a (このIDを非表示/違反報告)
Robotaxxxx(プロフ) - みぃ様 ありがとうございます！段々と他のメンバーも絡んできそうな雰囲気です…！ (2016年1月31日 0時) (レス) id: 1d1db99c36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちかこ | 作成日時：2016年1月28日 14時
