嵐の到来？（V Side） ページ17
音楽番組の収録後、
僕たちはいつものように、ステージの反省をしながら控室へと歩いて戻る。
その途中、
････・バタバタバタバタバタバタバタ
後方からバタバタと走る足音が段々と近づいてくる。
なんだと思い振り返ったと同時に、
「テヒョンさん！！」
足音の主がいきなり僕の名前を呼ぶ。
そこにいたのは、肩を上下に大きく揺らし、ハァハァと言っている女の子。
「あ」
この間の番組で一緒だったどこかのグループの子だ。
何か言おうとしているけれど、息が整わず声にならないよう。
そんなに勢いよく走ってきたのかな。髪の毛もかなり乱れている。
一応…アイドルなんだよね？
「…大丈夫？えーっと」
この時初めて、そういえばこの間彼女の名前を聞いていなかったことを思い出した。
「リンです！！！」
間髪入れず彼女が答える。
急に顔をあげるので、僕は驚いて思わず後ろにのけぞってしまった。
「で、何？どうしたの？」
まだ少し息が乱れている彼女に尋ねる。
他のメンバーも僕と一緒に立ち止まって彼女の反応を見ている。
「それだけです！！」
「え？」
「名前をですね！！あの！名前をお伝えしようと思いまして！！この間、言えなかったので！！」
やけに勢いよく答えているけれど、たったそれだけ？
「えーっと」
なんと答えていいのか分からない。
と、
「リーン！！！！何してんの、早く！！もう出番だよ！！」
狭い廊下の奥から別の女の子の声が聞こえてきた。
目の前の彼女はハッと我に返り、
「すいません！呼び止めて！！では、お疲れ様です！！」
クルリと踵を返しまた廊下をバタバタ音を立てて走り出す。
････なんだか台風みたいな子だな。
「テヒョン知り合いなんだ」
ジミンが不思議そうに尋ねてくる。
「多分、今なったと思う」
それにしても、あの乱れようはかなり笑える。
そんなに焦らなくても、番組で会う機会はこれからもあるのに。
僕はバタバタと遠ざかる背中に向かって、
「リンさーん、がんばってねー」
と声をかけた。
足音がピタっと止まり彼女がこちらを振り返ったと思うけれど、僕はもうみんなと一緒に控室に向かって歩き始めていた。
「罪なやつだな」
シュガ兄さんがボソッと言う。
「え？なにが？」
「別に」
なんだか、
春の嵐が吹き荒れそうな。
この時、そんな予感をしていたのは、ジミンとシュガだけ。
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ちかこ(プロフ) - さやか様 嬉しいお言葉をありがとうございます。この1週間ほど仕事がバタついており更新できず申し訳ありません。待っていただける方がいると書く励みになります。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。ちかこ (2016年2月27日 10時) (
レス) id: b539f91093 (このIDを非表示/違反報告)
さやか(プロフ) - テテペンじゃないのですが、これ以上好きな作品には出会えないのではと思うほど大好きな作品です。本当に言葉選びや間合いや描写がお上手で、ちかこさんのお人柄まで伺えるようです。いつも素敵なお話をありがとうございます。これからも楽しみにしております！ (2016年2月24日 3時) (レス) id: b27862b75c (このIDを非表示/違反報告)
ちかこ(プロフ) - みぃ様 ありがとうございます。段々他のメンバーの絡みも多くなってきて、私も楽しいです！ジン兄さん、小説の中でも残念キャラでごめんなさい…愛すべき残念イケメン！ (2016年2月13日 0時) (レス) id: b539f91093 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 毎回更新楽しみにしてます！中学生テンションのグクに絡まれるテテが面白かったです そして1人何も知らないジンさん…他のメンバーがどんどんで出来て嬉しいです (2016年2月4日 15時) (レス) id: 0f6ae1e55a (このIDを非表示/違反報告)
Robotaxxxx(プロフ) - みぃ様 ありがとうございます！段々と他のメンバーも絡んできそうな雰囲気です…！ (2016年1月31日 0時) (レス) id: 1d1db99c36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちかこ | 作成日時：2016年1月28日 14時
