気まぐれネコとキミと -BTS＊V-2

カカオトーク（V Side） ページ9

夜、ベッドに入る前にスマホを見ると、Aさんからカカオトークが来ていた。

その通知を見ただけでドキっとする。










今日僕は、Aさんにキスをした。



本当に半分無意識だったと思う。考えるより先に体が動いていた。



僕はこんなに理性が働かない人間だったのか。

Aさんと知り合ってからこれまで知らない自分にたくさん出会う。






『そういえば、ちゃんと言えてなかったね。



テヒョン、ダンス賞の受賞おめでとう。』





Aさんのメールはいつもそんなに長くなくて、文面もさっぱりしている。
「ハングル打つのは苦手なんだ」と苦笑いしていたのを思い出す。




彼女が「テヒョン」と呼ぶことがまだ僕も馴れなくて、なんだかくすぐったい。

でも頬は自然と緩む。






パシャッ





「んー、テヒョンなんか撮った〜？」



隣のベッドで寝ていたホプ兄さんが、スマホで写真を撮る音に反応して布団の中から寝ぼけた声を出す。



「んーん、なんでもないよ！電気消すね！」



ベッドに潜ると、僕はAさんに返信する。



『Aさんからのおめでとうが一番うれしい！ありがとう！』



一緒に送るのは、今撮ったピースサインをした僕の写真。






2分後にピロリンと、新しいトークが送られてくる。



「ははっ」



ジミンとホプ兄さんが寝ているのに僕は思わず声を挙げて笑ってしまった。





送られてきたのは、





『おやすみ』



と言う短い言葉と、



ゴローさんのドアップの写真。




いつもの可愛さはいずこ、すごくふてくされてるような顔の写真だ。






僕はすぐにその写真をスマホの待ち受け画面に設定した。








なんだかものすごく長い一日だった。



色んなことがあったけれど。



とりあえず今日はいい夢が見られそう。

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