気まぐれネコとキミと -BTS＊V-2

久しぶりの「クリスマス」 ページ14

クリスマスが特別な日だったのはいつまでだろう。

学生までかな。


社会人になってからは、年末はどうしても調整などで残業が続いてしまう。
クリスマス前後は銀行員にとってまさに一番忙しい時期だ。


そう考えるとやっぱりクリスマスパーティーをするのは学生時代以来かもしれない。

というか、学生に戻った今だからこそできるんだよね。



そんなことを一人ぼんやりと考えながら、江南のイルミネーション通りを足早に歩く。

久しぶりに履いたヒールがコツコツと軽快な足音を響かせる。


クリスマスパーティーの会場はもうすぐのはずだ。


この時期、18時を過ぎるともう完全に日は落ちあたりは暗くなる。
イルミネーションの明かりと車のヘッドライトがキラキラとしている光景は本当に綺麗だ。

今夜は夜遅くから雪が降るらしい。この景色に雪が加わったら本当に幻想的なんだろうな。



とはいえ、傘は持ってきていないので遅くならないうちになるべく早く帰ろう。






「メリークリスマス！」

会場にいくと、想像していた以上に多くの人が参加していた。
私が通うクラスだけではなく、他のクラスの生徒も参加しているようだ。
ざっとみても100人はいるだろう。

同じ国同士の人間で固まっているわけでもなく、国も性別もこえて皆ワイワイと騒いでいる。
韓国語や英語、中国語などあらゆる言語が飛び交う。




「A〜！」

駆け寄ってきたのは、レースのついた白いドレスに身を包んだシェンメイ。

さすが現役大学生なだけあって、全く違和感なくよく似合っている。


「シェンメイ可愛い。いいね」


「謝々！それにしてもAもドレス着るのね。パンツスーツかと思った」


シェンメイが私の姿を上から下までジロジロと珍しそうに見る。

確かにいつも自転車で通っているため、常にパンツにヒールなしパンプスだ。



「一応ね。でもすっごくスース―する」

「ははは！でもよく似合ってる。誰かと思っちゃった」

「それ褒めてるの？」


二人でふざけながら話をしていると、2人組の女性がすっと近づいてくる。


「メリークリスマス！」

全くの他人だったが、互いにシャンパングラスを傾けて乾杯をする。

こうやって色々な人と知り合いになれるのはいい。


私は意外とこういう空間が嫌いではない。

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