4話 ページ5
“三日月宗近”
そう言った彼は私が帰るのを見送り、振り返った頃にはもう誰もいなかった
元来た道を歩いていると聞きなれた声がした
新一「あれ?A、お前こんな時間に何やってんだ?」
声がする方を向くと新一がいた
そしてその隣には蘭がいた
貴方「っ…新一、蘭…部活終わったんだね」
蘭「うん!Aは?」
貴方「ちょっと寄り道してたの」
“羨ましい”
ただその感情しか湧かなかった
蘭「そうだ!このまま三人で帰ろ!ね、いいでしょ?」
新一の顔を覗き込むようにして言う蘭に新一の顔は赤くなる
それを見てまた胸が痛む
貴方「あ、えっと…私今日の晩御飯の食材買いに行かなくちゃだから、二人で帰って!」
蘭「そうなの?」
貴方「うん、ほら、二人の邪魔しちゃダメだし」
蘭「邪魔って…」
新一「でもお前この間買いだめしたって…」
貴方「!…買い忘れたものがあったの!」
二人の背中を押し、半ば強引に帰らせる
新一は腑に落ちない顔をして蘭と一緒に帰って行った
貴方「なにやってんだろ…」
二人の背中を見送る中、私は泣きそうになりながらも別の道で帰った
貴方「ただいま」
って言っても返ってくる返事はないんだけど
お母さんは私が中学校に上がる前に事故死し、父は私が生まれてすぐに亡くなったと聞いた
おばあちゃんはおじいちゃんと田舎の方で暮らしている
本当はおばあちゃんの家に行かなくちゃいけなかったけど、無理を言ってお母さんと住んでいた家に一人暮らしをしている
お金はおばあちゃんが送ってくれている
だから、私にとってこの家は少し広すぎる
その時、家のチャイムが鳴った
出ると、さっきまで蘭と一緒に帰っていた新一がいた
貴方「どうしたの?」
新一「いや、お前の様子がおかしかったから」
そういう事には鋭いくせに…
貴方「おかしくないよ。いつも通り」
新一「嘘つけ。お前が嘘ついてるのくらいわかるって。幼馴染みだろ」
貴方「っっ」
“幼馴染み”
その言葉がまた私を傷つける
貴方「そう…だね」
新一「ったく、なんかあったらすぐ言えよ?」
貴方「うん…」
言えないよ
君には何も言えない
だってあなたの瞳に私は映っていないんだから────
1357人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夜桜(プロフ) - コメント失礼します!刀剣男士との依存し合う関係堪らないです!最近たまにしか開いてなかったのに続きが出てないかちょくちょく見に来るようになってしまうほど、更新楽しみに待っているので頑張ってください! (2018年4月15日 23時) (レス) id: 6005dafda8 (このIDを非表示/違反報告)
ちょんちょん(プロフ) - なんならもう神格化してずっと一緒にいてくれー!!っと思ってしまうほどです!今後の更新楽しみにしています! (2018年4月15日 21時) (レス) id: da544692be (このIDを非表示/違反報告)
ちょんちょん(プロフ) - 更新楽しみにしていました!!!んんん!三日月さん!ひええ!コナンくんこと新一くんは夢主のことをどう思っているのか、未だに幼馴染としか見れなくてただ単に心配なのか…とても続きが楽しみです!夢主が本丸の刀剣男士達と依存し合う関係なのも最高です!!! (2018年4月15日 21時) (レス) id: da544692be (このIDを非表示/違反報告)
あか。(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いています!続きがとても楽しみです!更新頑張ってください。 (2018年4月15日 17時) (レス) id: a2f96f7463 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - 更新楽しみにしてます!赤井さん、別に夢主ちゃんは正体を明かせとは言ってないから言わなくてもよかったのでは?と思ってしまった… (2018年4月15日 17時) (レス) id: 0174c0cfa9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ハクしろ | 作成日時:2018年4月2日 1時