▽ ページ37
『あの剣は、弟へのお土産用だから！ いくらぺいんとでも譲れませんー』
顔の前でバツを作るAに、俺は思わず吹き出した。
『なんで笑うの？』
ぺ｢いやだって、Aの酔っ払った姿面白くて.....｣
するとAは急に怒り出した。
『ねぇ、どうして皆して私を笑うの！ 私だって頑張ってやってるのにさ！ お父さんもぺいんとも、死神君達だってそうやって私のことを笑ってさ！ ホント意味分かんない！』
不機嫌な顔をするAに謝ろうと思ったその時、頭の中で疑問が過ぎった。
ぺ｢なぁ、笑ったことは謝るからさ。お父さん.....ってことは、お母さんは？｣
言ってから失礼なことを聞いてしまったと後悔する。しかし、Aはどこか遠くを見つめるような目で呟いた。
『お母さんは、腹違いの娘が産まれた時に病死したの。腹違いの娘の母に薬を盛られたみたい』
ぺ｢腹違いの娘？｣
『そう。今は旅行中でいないみたいだけどね』
娘.....今は旅行中.....。
俺は、ここに来た時にトラゾーに言われたことを思い出した。
ト｢今使用人たちがですね、お嬢様達と共に旅行に行っており.....｣
まさか.....。
ぺ｢その娘さんってさ、もしかしてこの館の人？｣
恐る恐る尋ねると、Aは冷徹な目をして言った。
『そうだよ。あの子には何の恨みも無いけど、その両親に恨みがあるの』
そして次の瞬間、Aは俺にとんでもない爆弾を落とした。
『私のお母さんを
俺は暫く口を開けたまま、動くことが出来なかった。
ぺ｢じゃあAがこの館に来た理由って.....｣
『勿論自分の家の謎を解き明かすためだけど、本当は自分の手であの二人を絞めたかったから』
その言葉に俺は絶句した。こんなに見た目は綺麗な女性なのに、中身にはとてつもない闇を抱えていたなんて。
ぺ｢でも、もしそれで二人を殺めたらどうするんだ？ 警察沙汰になると思うけど.....｣
『そしたら私だけ逃げればいい。弟には迷惑掛けたくないし』
そう言い切る彼女の瞳には、静かに炎が燃え上がっていた。
『.....もう話はいい？ そろそろ寝たいんだけど』
欠伸をして立ち上がろうとするAの手を、俺はパシッと掴んだ。
ぺ｢今夜ここに来たのはこれだけじゃないんだ。Aに、また俺達の仲間として戻ってきてほしくて｣
『.....』
ぺ｢それと、俺自身がAに言いたいことがあって｣
俺はそう言って大きく深呼吸をした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 165人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はちみりん(プロフ) - お知らせなのですが、只今学校のテストに力を入れております故、次の更新は11月以降になってしまいそうです。お知らせが遅くなってしまい申し訳ございません。また、次の更新でこの作品は移行致します！ (2019年10月10日 17時) (
レス) id: 335fded264 (このIDを非表示/違反報告)
夏月(プロフ) - いつの間に！？((新作おめでとうございます！(*’ω’ﾉﾉﾞ☆ﾊﾟﾁﾊﾟﾁ楽しみにしていました！(pqﾟ∀ﾟ*○)更新、無理をしない程度に頑張ってください！Σd(・∀・´)今回もめっっっちゃ応援します！！(*´▽｀*) (2019年6月16日 17時) (レス) id: fb9808e4bc (このIDを非表示/違反報告)
はちみつりんごぱん(プロフ) - Yucca!!!さん» コメントありがとうございます。今回はかなり亀更新かもしれませんので、いつも以上にゆーっくり待っていただけたら幸いです (2019年6月10日 21時) (レス) id: 335fded264 (このIDを非表示/違反報告)
Yucca!!! - 最近占ツク見てなかったら盗賊の出てる！！やばい面白い！頑張ってください！！！！ありがとうございます！！ (2019年6月10日 21時) (レス) id: 718b4536e0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はちみつりんごぱん | 作成日時：2019年5月19日 17時
