あの夏この夏（赤×緑） (ページ9)

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「なあ!片付け終わったらいつものメンツで流星の歓迎会と神ちゃんのおかえりの会やらへん？！」

練習終わりそう照史が声をかけてくれた。
俺も久しぶりの再会で、まだみんなと喋っていたいなあなんて思っていたからちょうどいい。

「ありがとうございます。照史さん!俺も行きたいです」
「照史ありがとう〜。俺も行く!」

そうして俺らは爆速で太鼓の片付けをして(のんちゃんがめっちゃ張り切ってた)いつものhamacafeへ向かった。

「流星いらっしゃい＆神ちゃんおかえり!!かんぱ〜～～～い!!」
「「「「「かんぱ〜～～～い!!!!!」」」」」

会はものすごく盛り上がった。流星の学生時代の話を聞いたり、東京での暮らしを話したり。”案外東京の人も優しい人おるんやで”って言うと、みんな”またまたぁ〜？”って疑ってたけど。まあ確かに大阪のおばちゃんほどではないけども笑

そして何より驚いたのが流星の溶け込みの早さたるや！もうみんなのこと呼び捨てなりあだ名なりで呼んでるし!見た目大人しそうやけど、コミュ力おばけなんよ、流星って。

「なあ、なんで神ちゃんって東京来たん？こんなええメンツこっちにおるのに」

流星が唐突に俺に聞く。
流星にはしげとのことを言っていないからそう思うのも当たり前。
他のみんなは理由こそ言っていないがわかっていると思う。だからちょっとだけ気まずい空気。

「俺が学びたいやつが東京にしか無かったんよ。だからそれで仕方なく」

無難な回答をした俺グッジョブ。

「俺神ちゃんおらな生きてけへんのやけど!!」
と、お酒も入り良い具合になってきたのんちゃんが絡んでくる。

「望、神ちゃん重そうやって笑」
のんちゃんの隣に座る流星が引き剥がす。流星のんちゃんのお兄ちゃんみたい笑

「流星、これのんちゃんのデフォなの笑いっつもこうやってひっつき虫になるんよ～なあ？のんちゃん〜～～」

と言いながらも俺も久しぶりだから、いつもはされっぱなしだけど珍しく、のんちゃんにひっつきにいく。

そしたら今度は俺が隣から引っ張られる。

「神ちゃん顔真っ赤っか。酒弱いんとちゃう？チェイサー挟んで。」
「え？あ、おん。しげ、ありがとぉ」

引っ張ったのは隣りにいたしげだった。店に入った順で座ったからどこに座ろう、なんて考える暇もなかったのだ。
確かにいつもより呑むペースは早いけどそんな顔赤いんや、俺。

ふと隣を見ると、しげはどこか思い詰めるような表情でコップを見ていた。