あの夏この夏（赤×緑） (ページ7)

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＃7 ページ7

「.....う、苦しい。のんちゃん、久しぶりやね。」
「神ちゃぁあん！会いたかったよーーー！はぁ〜〜4年ぶりの神ちゃんや。やっぱ抱き心地ええわぁ」

4年前より力強ない？なんて首元に頭をぐりぐり押し付けてマーキングされながら考える。これはのんちゃんの癖。ずっとやられてきたから流石にもう慣れた。

「で、この隣の俺と同じくらいのイケメンくんはどちらさん？」
「流星。俺と同じ大学でな？祭りでたいっていうから連れてきたんよ。のんちゃんともタメやで」
「ほーーん。りゅーせーな！俺は小瀧望。のんちゃんなり好きに呼んでや？まあ仲ようしようや！」

と流星とのんちゃんは謎の握手を交わす。いや、この二人絵になるなぁ。身長も高くてイケメンで、...なんて見惚れていたら、

「あ、シゲ！遅いで！もうみんな揃ってきてる！」
「ごめんごめん。レポート提出あって遅くなった。」

心臓がドキッとなる。

最後に現れたのはシゲやった。4年前より体も鍛えられていてガタイも良くなっているし、大人びた気がする。相変わらずのファッションセンスはご健在だけども。そんなところもシゲらしい。何回か一緒に服買いに行ったりもしたけど全部俺任せやったなあなんて思い出す。

「うわ！神ちゃんや！久しぶり！元気しとった？」
「しげ！久しぶり。おん、元気やで。祭り期間よろしくな。」
「祭り終わるまでずっとこっちにおるん！？嬉しいわぁ」

しげと案外普通に話せていると思う。4年経ったとてそれより長い期間一緒に過ごしていたせいやろう。

「お隣さんはどちらさん？」

シゲが訝しい表情で流星のことを見るので、のんちゃんにした説明をもう一度する。

「ほぉん。よろしく」
「よろしくお願いします」

え、それだけ？もっとフレンドリーな感じでシゲは流星に来てくれると思ったのに。流星なんとも思ってなさそうやけど。これから仲良くなっていけばいいか。

照史と濵ちゃんは小中高生をまとめている。大変そうやなあ。上に立つ人間は。なんて呑気に眺めながら、シゲとのんちゃんと思い出話に花を咲かす。

「神ちゃんな？高校の時のあだ名おかんやったんやで流星」
「俺もいつも世話になってるわ。ほんま神ちゃん様様よ！」

学生時代の言ってほしくないエピソードまで流星にベラベラ喋っていくのんちゃんとしげ。だいぶ恥ずかしいが、流星には早く馴染んで欲しいから俺は黙って話を聞いている。なんや、シゲも普通に話せてるやん。先程の態度が嘘のよう。