あの夏この夏（赤×緑） (ページ6)

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これが、4年前のお話。あの後すぐのんちゃんが追いかけてきてくれて号泣して泣きついてしまったぐらいにはショックやった。

そして、王様だった濵ちゃん、悪ノリした照史、淳太からは謝罪が入った。本当に申し訳なかった、と。
俺の方が場の空気を乱してしまったのに申し訳なさでいっぱいだった。

そして今日までシゲとはあれから連絡をとっていない。メッセージ通知、着信、何回も来た。でも俺はれる勇気もなく、連絡先を消した。
しげを追いかけて同じ大学に入ろうとしていたのに志望校も変えて、あえて遠くの東京に進学した。無理やり夏から志望校のレベルを上げたから、親も学校の先生も驚いていたが、シゲのことを考える暇がないくらい勉強したかっただけ。

今は東京の学校生活もそれなりに充実している。同じく関西から進学した藤井流星という友達もできた。こいつはシゲよりも手がかかる。モーニングコールを今まで何回したことか。探し物を何回手伝ったことか。

実は流星が俺の地元の祭り期間に帰ると言ったら、俺も祭りに出たいと言い出した。祭りを統率している照史に相談したら、二つ返事で了承してくれた。さらに、濵ちゃんのところでバイトをしながら居候することになったらしい。いや、流星の行動力たるや。さすがとしか言いようのない。

そして迎えた練習初日。

練習には、小学生から社会人までそれなりの人数が来る。それでも少子高齢化により人数は減っているらしい。確かに、俺が小学生の頃はもっと人がいたようないなかったような。

少しだけ緊張しながらも、流星と練習場である公民館へ向かった。
早めに行ったから、いたのは照史と濵ちゃんだけやった。

「おー！モンチ！ひっさしぶりやな！身長伸びたか？大きくなったんとちゃう？」
「照史も濵ちゃんも久しぶり！身長は高校から伸びてへんわ！」
「神ちゃん東京からよぉ帰ってきてくれたなぁ。流星くんもきてくれてありがとうな！これから１ヶ月よろしゅう！」
「初めまして。藤井流星です。濵田さん、寝るとこも提供してくださってありがとうございます！バイトも頑張るのでよろしくお願いします」
「えらいイケメンくんやねえ。濵ちゃん優しいしなんかあったら俺でもいいからすぐ頼るんよー？」

久しぶりに見た地元の兄とも言える人たちからの歓迎に胸が熱くなる。
すると、ドンっという背中に強い衝撃が。