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あぁ、俺ファーストキスは両思いの人とお互いが同じ気持ちでする幸せなキスやと思ててんけどな。全くちゃうかったわ。



好きな人と、ノリで、みんなの前ですることになるなんて思いもせんかった。

唯一気持ちを知っているのんちゃんが止める仕草を見せようとした時、これは遊びやから空気見出しちゃあかんで、っていう視線を送った。おそらくのんちゃんはわかってくれてから何も言わなかった。

「まじか!神ちゃんとキスするんや!なんやはずいな!」

一番盛り上がってるのは酒を飲んでる年上組3人。
うおーー!シゲ!行け行けぇ!ってめっちゃ嬉しそう。他人事だからって。

大丈夫。これは男子でよくあるノリ。本気じゃない。ノーカンや。そう、自分に言い聞かせる。
のんちゃんがずっと心配そうな目を向けてくれてる。心配させたらあかん。覚悟を決めて、椅子から立ち上がった。
シゲがこちらに向かって歩いてくる。3人のワクワクした目がこちらを見ている。

シゲは心なしか緊張しているように見えるが、ただの後輩の俺にキスするだけで緊張はしないはずだ。
「神ちゃん....いくで...?」

そう、シゲが俺の肩を掴んで頭を傾けた時、遊びででもシゲにキスされることを心が危険信号を示してしまった。

「やっぱごめん!!」


そう言い残して俺はカフェから飛び出て無我夢中で走って逃げてしまった。

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作者名:ろばたけ | 作成日時:2023年11月10日 2時

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