あの夏この夏（赤×緑） (ページ13)

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#13 ページ13

太鼓の練習が始まるまでの時間、公民館でおしゃべりをしている俺とのんちゃんと流星。

「で、神ちゃんはシゲと再会してみてどうやったん？まだ好き？」

「え」

「「どした流星」」

「神ちゃんシゲのこと好きやったん？」

「「あ」」

そういえば流星に言うの忘れとった

「あ、うん。中学校の頃からな」

「へぇ〜。意外や。なんかもっと濵ちゃんとかおとなしめで優しい人の方がタイプやともっとったわ」

「やっぱそう思う？俺も思うもん笑」

シゲはああやっておちゃらけてるように見えるけど、俺が寒そうにしてると”なんか着る？あったかい飲みもん買ってこよか？”って言ってくれる優しさもあんねん。で、俺もやけど熱い男。何にでも全力投球なところが彼の良さだと思っている。やる時はやる男っていうのも惚れた一つ。シゲの全部好きやん俺笑。
そんなこと思ってるなんて、のんちゃんにも流星にも言ってやらんけど。

「のんちゃんと流星しかこのこと知らんから、そこんとこよろしく」

「おけ」

「で、神ちゃん。再会してどうやった？」

「う〜ん。どうもこうも、っていうか...

あぁ、まだ好きなんやなぁって感じ。」

「うへへへへええやん」

いやイケメンがニヤニヤしてると顔台無しやで、のんちゃん。

「今日のバイトでシゲが神ちゃん支えてた時、ええ雰囲気やと思ったんよね〜！こう、絵になる！というかさ」

「それはないやろ！」

「....告白せんの？」

流星がそう尋ねてきたので、俺は4年前の王様ゲームの話をした。

「....ってなことがあってな。で、昨日その件について謝られた。」

「「うお、まじか」」

「うん。俺もちゃんと謝れて、完全に過去の話になった。もうチャラ。やけど、どうしてもあん時の気持ち忘れられへんから、シゲとどうこうなりたいってのは無いかな」

「俺は大学からしか、神ちゃんのこと知らへんけど、神ちゃんには幸せになってほしいなぁとは思う」

「それは俺も流星と同じ意見や。神ちゃんがそれでええならええけど。ただ、俺らは神ちゃんのこと応援してるんは忘れんといてな！」

「うん、ありがとうな、二人とも」

久しぶりにこうやって友達と恋愛トークしたから少しこそばい気持ちになる。
あぁ、シゲの話しとったら、つい数時間前まで一緒におったのに、もうシゲに会いたくなってくる。これが恋やったなと再認識。