56話 ページ16
Aサイド
誰を憎めばいいだろう。
誰に怒りをぶつけたらいいだろう。
生まれつき持ってしまった能力を憎めばいい？
俺たちをここへ導いた、この組織を憎めばいい？
……すべてを狂わすもととなった
消えない炎の使い手を憎めばいいだろうか。
「なんで……こうなるの」
ニノが奥へ駆け出した後に訪れた沈黙を
自分の弱い声で破る。
松潤はニノが走って行った方向をぼんやりと見つめ、
リーダーはただ、俯いていた。
「……リーダー」
「…………なに」
「知ってたの？ 二人が能力者ってこと……。だから最近、様子がおかしかったの？」
俺の言葉に、ただ伏せられていたその表情が小さく揺れる。
「……違う。ただ…………」
「……ただ、何？」
「いや…………なんでもない」
……なにそれ。なんだよ、それ。
知ってたの？ だからあんまり驚いてないの？
「ねえ、リーダー、教えて……」
強く言って、リーダーに迫ろうとした時だった。
＿＿＿ドオォォン……！
「っ！？」
「ニノだ……！」
廃工場の奥から、大きな爆発音。
それに伴って伝わる、大きな揺れ。
小さく叫んだ松潤は、一瞬、迷うようにこっちを見て
奥の方へ駆け出した。
「……俺も、行くから」
能力者として、じゃなくて
純粋に、大切な仲間として、ニノが気になって
やっぱり呆然と立ち尽くしたままのリーダーにそう言って、俺も駆け出す。
・
・
・
「もう……全部、分かっちゃうんだね」
リーダーが、そう小さく呟いたことにも気づかずに。
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和翔(プロフ) - すんごい泣けます！ 他の小説での活躍も期待してます！ (2015年10月26日 22時) (
レス) id: d71d624c28 (このIDを非表示/違反報告)
なっち(プロフ) - 最後の方は、ずーっと泣きっぱなしでした(ToT)すごく面白かったです！ (2015年7月21日 1時) (レス) id: fe269a1a4c (このIDを非表示/違反報告)
しょーさと - この小説、とってもドキドキして面白かったです！すごく楽しめましたよ！！ お2人とも、お疲れ様でした♪♪ (2015年4月18日 21時) (レス) id: 8ea8d3969e (このIDを非表示/違反報告)
依久 - そろそろ更新してください。ずっと待ってるんですけど。 (2015年4月10日 18時) (レス) id: 3739db1f04 (このIDを非表示/違反報告)
相櫻 魔理沙 - とっても面白いです。更新頑張ってください!! (2015年3月26日 10時) (レス) id: 3739db1f04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花櫻 ＆ 碧李
x他1人 | 作成日時：2015年1月17日 17時
