55話 ページ15
Nサイド
こんなの、嘘。うそ。
そんなわけない。
何千、何万と人間がいる中で
大切な、ほんの一握りの人たちが
みーんな能力者なんて、そんなの、ありえる？
これは夢なんだ。
ちょっと出来過ぎた、現実的な夢。
どうせなら、楽しもう。
実は前から気になってたんだ。
俺の『裏の顔』を見たら、みんなはどんな表情するのかな〜って。
「俺はね、能力ってのが大好きなんですよ。その能力を使いこなして、強い奴はもっと好きだ」
俺は狂っていると、訴えたら、なんて言うだろう。
「だからね、俺は初めて消えない炎の使い手の噂を聞いた時、もう感動して泣きそうになっちゃったんですよ。『ああ、やっと出会えた』って！」
「ニノ……」
相葉さんの、か弱くて、泣きそうな声。
大野さんの表情は、俯いているから見えないけれど。
「俺は、あいつと戦いたいんです。正々堂々戦って、もしあいつに重傷でも負わせられたら、それほど嬉しいことはありませんよ」
＿＿＿これは、夢。
ちょっと出来過ぎた、現実的な夢。
……二人の表情さえ、忠実に再現されている。
「……俺は、誰にも止められませんよ。誰にも」
秘密は、知られてしまったんだ。
もう、どうにでもなってしまえ。
「……ただ、いくら狂っている俺でも、秘密を知られたあなた達を……簡単に殺してしまうほど、残酷ではありません、から。……でも」
……これは、夢。ゆめ。ユメ。
それなのに、なぜだろう。
涙が、零れそうになるのは。
「…………これが、俺の本当の姿ですから」
突き放して、背を向けて、逃げ出す。
能力者の勘っていうのかな。
殺気が、伝わってきて、分かる。
＿＿＿この奥に、あいつがいると。
そう思い込んで、走り出した。
「＿＿＿ニノ、ダメだよっ……！」
大野さんの声が、背から聞こえて来たけど、無視して走った。
・
・
・
「……ダメだよ。その奥には……やっぱり残酷な現実しか、ないんだよ……」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 700人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
和翔(プロフ) - すんごい泣けます！ 他の小説での活躍も期待してます！ (2015年10月26日 22時) (
レス) id: d71d624c28 (このIDを非表示/違反報告)
なっち(プロフ) - 最後の方は、ずーっと泣きっぱなしでした(ToT)すごく面白かったです！ (2015年7月21日 1時) (レス) id: fe269a1a4c (このIDを非表示/違反報告)
しょーさと - この小説、とってもドキドキして面白かったです！すごく楽しめましたよ！！ お2人とも、お疲れ様でした♪♪ (2015年4月18日 21時) (レス) id: 8ea8d3969e (このIDを非表示/違反報告)
依久 - そろそろ更新してください。ずっと待ってるんですけど。 (2015年4月10日 18時) (レス) id: 3739db1f04 (このIDを非表示/違反報告)
相櫻 魔理沙 - とっても面白いです。更新頑張ってください!! (2015年3月26日 10時) (レス) id: 3739db1f04 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：花櫻 ＆ 碧李
x他1人 | 作成日時：2015年1月17日 17時
