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その日の夜。涼介には大学の友達に誘われたと言って伊野ちゃんの家に行った。嘘をついたのは心が痛いけど、いつかは話すから。と心の中で謝った。
楽屋では頑なに話さなかったのが嘘のように、伊野ちゃんは今まであったことを全部話してくれた。
収録で理不尽にADさんが怒られていた。見かねて、ディレクターにたてついてしまったらしい。そしたら逆ギレされ、次の収録からたくさん罵詈雑言をあびせられてきた。終いにはJUMPの冠番組を無くすと脅され、それを阻止するために暴力にだって耐えてきたという話だった。
「…そっか。俺たちを守ってくれたんだね?」
伊「、、、俺、守れたかな…泣」
「ありがとう」
伊野ちゃんを精一杯抱きしめた。9人分の感謝を込めて。ダムが決壊したようにあふれでた涙が止まったのはそれから30分後だった。
伊「…ごめ、こんな大人げなく泣きわめいて……笑」
「謝ることじゃないよ。」
伊「いつから気づいてた?」
「2週間くらい前?」
伊「そっか、、、」
「隠すの上手すぎるんだよ…」
伊「へへっ、ありがと」
「…全然褒めてないし。逆にさ、
いつから気づいて欲しかった?」
伊「…えっ?」
「だから、JUMPのために我慢しててさ辛かったでしょ?痛かったでしょ?いつから気がついて欲しかったの?」
伊「…ぅーーん、、、泣 いつからだろぉーなぁ、、、なかせないでよ…笑」
「泣いていいってば」
伊「、、、2ヶ月前?」
「…そ。ごめんね」
伊「大丈夫。」
「、、、大丈夫じゃないのに大丈夫って言わないで。」
伊「、、、だって、俺そんなキャラじゃないじゃん…」
「キャラ、、、?」
伊「そ、泣いたり相談したり、そーゆーのは俺じゃない。」
「、、、じゃあ、JUMPは仲良しキャラ?」
伊「へ?」
「侑李がご飯会とかでJUMPが好きって泣いてくれるのは、泣きキャラでJUMP大好きキャラだから?」
伊「…いや、そーゆーことじゃなくて」
「…いつも、涼介のこととかキャラじゃないなーって思ってんの?」
伊「いや、だから」
「あいつはエースキャラだよね?」
伊「まぁ」
「じゃあ、泣きわめいて甘えちゃダメ?」
伊「いや、そんなことないけど」
「じゃあ伊野ちゃんだって一緒じゃん。確かにメンバーとしての役割とか世間の人が求めてくれるキャラはあるよ。俺らアイドルだもん。」
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奏夢 - さなさん» ありがとうございます泣やる気に繋がります!!リスエストもお待ちしております!! (2021年1月3日 10時) (レス) id: abb52402b2 (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - 続きが気になります!更新頑張ってください! (2021年1月2日 22時) (レス) id: 891da18ece (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:奏夢 | 作成日時:2020年12月30日 18時