共依存【灰谷蘭】【灰谷竜胆】

灰谷蘭 ページ4

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初体験は蘭ちゃんとだった。
好奇心に勝てなくて、俺ら男と女だしやってみねぇ？
って、軽いノリで。






どうするのかがわからなくて、ビデオの真似事をした。




正直、気持ちよさは全然分からなかったし、
痛みや違和感の方が強かった。



だけど、
蘭ちゃんがすごく良さそうな顔をするのが嬉しくて。
愛おしいという感情は、そこから学んだ。



未熟な私は、世間一般の女の子がするような恋の仕方を知らずに育ってしまったのだった。







＊






とある日、見事なまでの朝帰りをした蘭ちゃんを出迎える私の眉間に皺が寄る。



『…蘭ちゃん、また女の子といたでしょ。』

｢あーわり、匂いついてる？｣



蘭ちゃんはきっと、私の気持ちに気付いてる。
気付いてて、知ってて、いつも違う女の子の匂いを纏って帰ってくる。






だけど、付き合っていないから何も言えないんだ。
せいぜい、今みたいに嫌味を言うことしか。





｢なに、もしかしてヤキモチ？｣


『…そんなんじゃないよ。
そういう甘ったるい匂いが嫌なだけ。』






早くシャワー浴びてきてよ。
ほかの女の子の匂い付けてる蘭ちゃんなんか嫌だよ。
いつもみたいにバニラが香る少し重めの香水の匂いがいいの。




｢かぁい〜奴♡｣



私の頬に軽く口付けて鼻歌を歌いながら浴室へと向かう背中に縋りたいのを必死に堪えた。









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きっと知ってるんだ。
私が、自分を嫌いにはなれないということに。


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