呪いのアプリ

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ガタンガタン……

ガタンガタン……



会社が終わり、Aは電車の揺れに
睡魔に襲われていた


(ねむ……)


まぶたを閉じれば、すぐに眠る事は出来るであろう。しかし、寝過ごすことはしたくない


だが甘い誘惑のように、少し閉じるまぶたは
とても気持ちよかった

このまま閉じてしまえば

もっと気持ちいいであろう




(少し………くらいなら………)


眠らないよう 意識はこのままっと
心の中では思うが

だんだんと時間が経つつれに
その思考は和らいでいき



心地の良い気持ちになっていく









？「起きて」


？「起きてくださいッスよ」



まるで耳元を囁くように
誰かAを起こす言葉をかける

パチッと目を開けると




ｱﾅｳﾝｽ《まもなく、金山、金山。お出口は右側です。新瑞橋、八事方面お越しの方は_____ 》



ちょうど自分が降りる駅に
目を覚ましたようだ



(……？ 隣に席に座っていた人が
言ってくれたのかな…)


隣を見るとくたびれたサラリーマンの男性
かなりの耳元だったので

彼が言ったのかとおもった


『あ…あの！』


「え、あ、はいなんでしょう」


『えと、起こして下さりありがとうございます』


お礼を言い終わると、男性は眉を寄せ
顔を傾ける


「一体なんのことでしょうか？」


男性は眉を寄せながら言う


『えと、耳元で起こしてくれませんでしたか？』


「少なくとも…私は何もいっていません」



(え…………違う？聞き…まちがい？
でも割と至近距離だったはず…………)


『す、すいません！間違えました！』



眠っている時の夢の声だろうか？


やけに鮮明な声は頭に残っていたのであった

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