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お昼の時間を知らせる鈴の音が鳴る。
するとめずらしく、廉くんが私の席に近付いてきた。
永瀬「 …食べよ。 」
『 …えっ、あ…うん 』
彼のほうから誘われるなんて、初めてだから言葉に表せられないくらい嬉しい。
永瀬「 いただきます 」
『 いただきまーす 』
都内でも有名な進学校であるこの高校。私も、この高校に受かりたくて必死に勉強し、無事に入学することが出来た。
家族とは離れて生活しなければならなくなり、今では一人暮らしをしている。
永瀬「 なあ、その卵焼きちょうだい 」
『 味は保証できないけど… 』
こういう会話、私たちには今まで無かったから胸が暖かくなる。
廉くんは気まぐれだろうけど。
永瀬「 んっ!むっちゃウマいやん 」
『 …ほんとに!? 』
永瀬「 次から俺のも作ってきてくれへん? 」
『 …え!いいの? 』
声のトーンが明らかに上がったのが自分でもわかった。それくらい嬉しかったからだ。
お互い一人暮らしで大変なのは知っていたけど、お弁当なんて今まで一緒に食べたことなんて数えられるくらいしかなかったし。
永瀬「 明日から楽しみやわ 」
『 がんばります… 』
ごちそーさまでした!と二人で手を合わせたとき、
平野「 Aちゃん、よかったら平野にも作ってきてくれませんか? 」
『 えっ…、そんな私のでよかったら…! 』
そういうと目の前で、女子みたいにキャッキャとはしゃぎ始めた彼。
そんな彼を冷たくあしらうかのように見ていた廉くんは
永瀬「 Aが弁当作るのは、俺にだけでええねん 」
永瀬「 紫耀はコンビニの弁当でも食っとけって 」
なんて言うから、少しだけ嫉妬してくれてるのかな?なんて、期待してしまう自分がいる。
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aimi(プロフ) - 初めまして。すごく面白かったです‼️これからも頑張ってください!応援してます❗️ (2021年10月31日 19時) (レス) @page49 id: 7523aceb2d (このIDを非表示/違反報告)
mi(プロフ) - お話読みたいのでパスワード教えてほしいです!! (2021年7月27日 23時) (レス) id: 0c341d472b (このIDを非表示/違反報告)
さくらん(プロフ) - パスワードのヒントを教えて下さい! (2019年11月15日 20時) (レス) id: a7aa3d16ee (このIDを非表示/違反報告)
niconico0807(プロフ) - お話とても楽しく読ませていただいてます。続きが気になるのですが、パスワードを教えていただけませんか? (2019年11月2日 20時) (レス) id: d8c3065569 (このIDを非表示/違反報告)
さわまる(プロフ) - とても楽しく読ませていただいております!続きがとても気になるのでパスワード教えていただけると幸いです(^^) (2019年10月31日 22時) (レス) id: e116b8cde1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こはく | 作成日時:2019年4月25日 22時